HOME » 保険の知識全般 » セカンドオピニオンサービスを使ってみたい
2014年1月に肝内胆管がんの手術を受けた女優の川島なお美さん。有名人のがん告白は珍しいことではなくなりましたが、彼女の場合は受診した医師の対応に疑問を持ち、徹底的に信頼できる医師に巡り会うまで歩き回った…という点がセンセーショナルでした。
がんは皮膚がん以外は、ほとんどが目に見えない体内での腫瘍をいいますので、患者は検査結果をもとに、自分の体内がどうなっているかを把握しなければなりません。ところが、がん治療の多くは、腫瘍の切除や照射などによる消滅が多く、投薬などを使いながらの治療が基本といえます。
問題は、その根拠でしょう。CT画像をどう理解するか、まずはそこから始まりますが、経験値が低い場合は、画像の微細な斑点を見逃す可能性も低くありません。
川島なお美さんは、セカンドオピニオンを自ら求めて病院を転々とします。彼女の話では「悪性化良性かは分からないが、とりあえず切除しましょう」という医師の言葉が出て来ます。とりあえず、という言葉は居酒屋でビールを飲むといった「生命を賭けた場とは正反対」な行為に使われるもの。ワイン通とはいえ、カチンとくるのは当然かもしれません。
医師の多くは説明責任を果たしていますが、患者が納得できる説明にはなっていないケースが多いのです。寛解、異形度、自然免疫といっても、一般人にはよくわからないでしょう。要は、医療人としてごく普通の会話が、がんという「死に至る病」といまだに恐れられている場合にまで簡単に流れてしまっては、心配が膨らむばかりなのです。名医といわれる人ほど、より簡単な言葉で患者に今の状態を説明し、何ができるかできないかをはっきりさせます。
住友生命がセカンドオピニオンサービスを大々的に宣伝していますが、このサービスは「T-PEC」という民間企業のシステムを使っています。医師は全国に点在しているのですが、医師そのものは派遣できない決まりになっています。そこで、紹介という手段で医師を適材適所に送り込むことで、病院の質を向上させ、患者を救うことを行っています。
セカンドオピニオン科という診療科がある病院も広がっており、生命保険では、一度診察してどうしても主治医の処置を確認すべく他の医師に受診する時に、出来れば名医に…となるのが普通です。自分で探せない名医も、サービスを使えば納得が得られることから、セカンドオピニオンサービスは、今後医療保険の常識になる可能性があるでしょう。
セカンドオピニオンが世間一般に知られるのは、「がん」に対する治療方法でしょう。悪性腫瘍は医学的にステージが決められており、患者の年齢や健康状態、そしてその度合いなどで、治療方法は大きく変わってきます。
生命保険会社では、医療保険とがん保険を分けて取り扱っているのも、やはりがんが最も罹患後の死亡率が高いこと、国民の2人に1人、あるいは3人に2人ががんによって臨終する事実も、よく知られています。
セカンドオピニオンは、がん以外でも広く行われますが、その内容は「主治医」を変える、というものではありません。患者は主治医の所見や治療方法について、疑問や質問があった場合、医師に尋ねることができますが、それでも納得がいかない場合、別の医師に再診してもらうことができます。
ところが、問題となるのは「所見」の根拠となる、カルテの開示については「個人情報」ということで、簡単に持ち出すことはできない、という実例があります。医師は患者の所見について、責任があり、もし他の医師に再診させる場合は、主治医の「紹介状」が必要になります。
これは、患者が再診の際、最初から検査しなおすといった不利益を被ることがないための、知恵でもあります。セカンドオピニオンは、主治医の所見を参考に、他の専門医がどう診断するのかということを意味する行為なのです。
住友生命のセカンドオピニオンサービスは、住友生命が「提携している」医療関係企業に、セカンドオピニオンの煩わしい手続きを代行してもらうシステムです。自分のがんについて、症例を多く持ち、執刀数も多い専門医に見てもらうにはどうすればよいのでしょうか? 名医はどこかにいるだろう…でも、ネット情報や知り合いのツテで苦労して探しても、なかなか見つからない、時間がない場合が多いのが普通です。
そもそも、名医の基準さえ、一般社会にはわからないものです。 このオピニオンサービスは、再診の費用負担は保険では賄えません。住友生命はあくまでも「セカンドオピニオン」のサービスが使えます、と紹介しているのであり、保険会社の付加価値と考えるのが妥当でしょう。
ここで、よく考えてみましょう。 生命保険の役割とはなんでしょうか?掛け金を支払い、死亡したら保険金を受け取る、あるいは日数分決まっている入院費用・定まった手術代金などを受け取るのが基本です。つまり、保険は「死亡」「入院」「手術」後に事後承諾でお金を請求し、受け取るだけです。
ですが、本当に生命保険のプロならば、普段からよい医師、病気の知識、セカンドオピニオンなどを個人的に知っているべきでしょう。住友生命は、これを会社全体としてサービス化していますから、ぜひ外交員にも力をつけて欲しいところです。 素晴らしい生命保険に加入するには、こうしたサービスを「きちんと顧客に伝える能力」を持つ担当者から入ることがベスト。あなたは、本当に適切な担当者から加入していますか?