日本にはじめて生命保険が誕生したのは1868年に福沢諭吉が欧米の文化を取り入れるために持ち込んだことが始まりと言われています。誕生から数えると、約150年近い長い歴史が生命保険にはあります。このような長い年月の中で、時代とともに生命保険商品もその時その時の人々の要望に応えるため、様々な形に変わっていきました。
生命保険誕生当初は、「日本人総中流時代」と呼ばれ、皆が一律で同じ生命保険に加入するという事が一般的でした。そのため、生命保険会社もどのような方に当てはまるような決められた商品内容のパッケージ商品を販売していました。商品に名前を付け、この商品には死亡保険金が何千万円付いている、入院したら入院給付金がいくら受け取れるという事が、加入した方みんな一律になっていました。
それから時代の変化とともに、家庭ごとにそれぞれ要望に違いが生じるようになり、一律のパッケージ商品ではなく、人それぞれ加入したい生命保険の商品内容を選ぶことができる、オーダーメイド型の生命保険商品が誕生しました。オーダーメイド型の生命保険は、一人一人のニーズに基づいて保険設計を行うため、人によっては医療保険だけを加入する方、一方は死亡保険だけを加入する方といったように、人それぞれが違った内容の生命保険に加入するようになりました。
しかし、近年このオーダーメイド型も徐々に変化が生じてくるようになりました。オーダーメイド型の生命保険の場合、組み合わせは無限大に設計できるため、お客様自身が自分に合った生命保険を「選べない」という問題が生じてしまったのです。自分に必要な保障が分からない、どれだけの金額の保険金があれば十分なのか分からないという新たな問題が発生したのです。
今度はこの悩みに応えるものとして、パッケージ商品の要素を少し取り入れ、とある商品の中にいくつかの保障内容があり、その中から好きな保障内容を選べるという商品が誕生したのです。ある程度限られたものの中からお客様自身が必要なものだけを選べばよいという事で、オーダーメイド型の生命保険よりも選びやすく、非常に好評となりました。このような商品の代表商品として、日本生命の「みらいのカタチ」という商品があります。今回はこの日本生命(ニッセイ)のみらいのカタチについて詳しく見ていきたいと思います。
それでは、具体的にニッセイのみらいのカタチの商品内容について見ていきましょう。
まずは下の図をご覧ください。
これは、ニッセイのみらいのカタチで選べる保障内容となります。全部で12種類の保障内容を好みに合わせて組み合わせて加入することが出来るのです。それぞれについて詳しく見てみましょう。
[継続サポート三大疾病保障保険]
継続サポート三大疾病保障保険とは、死亡保障を抑え、三大疾病に重点を置いた保障内容となっています。がん、脳卒中、心筋梗塞となった場合に一時金を受け取ることができ、また治療費に対する支出に備えるだけでなく、収入が減少してしまった場合の収入の補てんも保障してくれる内容となっています。
[三大疾病保障保険]
継続サポート三大疾病保障保険と非常に似ていますが、こちらには死亡保障は付いておらず、三大疾病となった場合の備えのみの保障内容となります。がん、心筋梗塞、脳卒中となった場合に一時金を受け取ることができ、また治療費に対する支出に備えるだけでなく、収入が減少してしまった場合の収入の補てんも保障してくれる内容となっています。
[身体障害保障保険]
国が定める障害等級で1~3級の障害状態となった場合に身体障害保険金として一時金を受け取ることができる保険となります。一時金は治療費だけでなく、日々の生活費にも利用することができます。障害にならずして亡くなった場合には、同額が死亡保険金として受け取ることもできます。
[介護保障保険]
公的介護保険制度の要介護2以上と認定された場合に介護保険金を受け取ることができる保険です。保険金は一時金で受け取るか年金として受け取るかを選ぶことができます。介護状態にならずして亡くなった場合には、同額が死亡保険金として受け取ることもできます。
[総合医療保険]
一般的な医療保険と同様に、病気やケガで入院した場合に入院給付金を受け取ることができ、また手術をした場合に手術給付金を受け取ることができる保険です。
[がん医療保険]
がんを患って入院した場合に、入院日数に関わらず無制限で入院給付金を受け取ることができる保険です。入院だけでなく、がん治療による手術を受けた場合、がん手術給付金も受け取ることができます。
[特定損傷保険]
不慮の事故などにより骨折、脱臼、腱の断裂などとなり治療した場合に一時金を受け取ることができる保険です。一時金は5万円か10万円か選ぶことができ、最大10回受け取ることができます。
[終身保険]
一般的な死亡保険である終身保険と同様に、亡くなった場合に死亡保険金が受け取れる保険です。保障期間は一生涯となっており、また途中で解約した場合には解約返戻金と呼ばれる返金されるお金があるため、資産形成の用途としても利用することができます。
[定期保険]
一般的な死亡保険である定期保険と同様に、亡くなった場合に死亡保険金が受け取れる保険です。先ほどの終身保険と異なり、保障期間は一定期間と定められており、保障期間が満了すると、亡くなった場合でも死亡保険金を受け取ることは出来なくなります。また、保障期間満了時には返金されるお金もないため、いわゆる「掛け捨て」タイプの保険となります。
[生存給付金付定期保険]
3年ごと、及び満期時に「お祝い金(生存給付金)」が受け取れる保険です。内容自体は定期保険と同様で、保障期間は一定期間と定められており、保障期間が満了すると死亡保険金を受け取る効力はなくなります。また、保障期間満了時には返金されるお金もなくなります。
[年金保険]
老後の生活費や子供の教育費、住宅購入など将来的に必要となる資金を貯めるための貯蓄に特化した保険です。積立期間を決め、積立期間までお金を積み立てると、年金形式でお金を受け取ることができます。他の生命保険会社の商品でいう「個人年金保険」と同じ内容の商品です。
[養老保険]
死亡保険の種類の一つで、保障期間が一定期間と定められており、保障期間が満了するときに無事に生きていた場合、「生存給付金」を受け取ることができる保険です。保障期間内に万が一亡くなった場合には死亡保険金を受け取ることができるため、万が一の場合でも無事に生きていた場合でもお金を受け取ることができる保険となります。
ニッセイのみらいのカタチは、これら12種類の商品ラインナップの中から、ご自身の好きな保障内容を選んで加入することができるという商品となります。
12種類の保障内容から選べばよいということは分かっても、一体何を選べばよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。その時は、「どんな状態になったら自分(または家族)が一番困るか」を軸に選んでみると良いでしょう。例えば結婚して子供がいる場合、入院などの費用に備えることも大切ですが、何よりも万が一亡くなってしまって遺された家族が路頭に迷ってしまうことが一番困ってしまうと思います。
そのような場合、医療保険は入らなかったとしても、万が一の場合の死亡保険は加入しておくべきであるといえます。逆に独身の方であれば、自分が入院したり重い病気になって収入が減ってしまう方が困ると思いますので、医療保険や重い病気に備える保険に加入すると良いといえます。