子供が生まれたら、学資保険に加入…これは一般的な「風習」ともいえる現象です。面白いことに、生命保険に加入することには、すんなりとことが運ばない人が多いなか、なぜか学資保険だけは積極的に加入する人がいつの時代でもいるのはなぜなのでしょうか?
学資保険とは、簡単にいえば「長期預金」であるということ。3年や5年といった短期の貯蓄商品ではありません。少なくとも10年、12年、15年、18年…と教育資金を貯めるために利用されるのが学資保険という貯蓄商品なのです。
学資保険と並んで、教育ローンという商品が銀行で扱われていますが、これは完全に子供の教育費用に使われることを限定に、商品化されています。もし、子供が高校卒業後社会人として働き、その後やはり大学に入りたい…と言い出した場合、急に必要になる教育費用を賄うには、教育ローンを借りるケースも出て来るでしょう。
つまり、子供を持つ親は、常に子供の人生のためのあらゆる資金準備を考えて、出来るだけ効率の良い貯蓄や低金利のローンを探すわけですが、やはり一番に上がるのが前もって準備しておく学資保険、というわけなのです。ですが、学資保険にもいろいろなモノがあることを知っておかなければ、思ったような貯蓄に鳴らない可能性も出て来ます。
そこで、各社から出て来ている学資保険について、簡単に比較をすることが必要です。まず「特約」がついているかどうかという点を注意しましょう。特約とは主契約にくっついている部分。例えば「医療特約」があるとすれば、毎月支払っている保険料の中に「入院したら一日○○円が支払われる」という医療保険が付いている、ということになります。
もし、学資保険の加入の目的が「出来るだけ効率のいい貯蓄」にしたいならば、こうした特約をカットする方がお得になります。また、逆に子供の怪我や病気のことを考えて、安い掛け金ならば医療特約があってもいいな、と思うならば、こうした商品を選んでもよいでしょう。ちなみに入院特約はかんぽ生命が扱っていることで知られます。
もう一つは、「何年間保険料を払うのか」という点も注意しましょう。18歳まで支払うのか、あるいは20歳なのか、では子供の就学期の真っ最中にも保険料を支払わなければならないのか、それとも入学前に支払い終わっているのかで、大きく資金計画が変わります。大事なのは、時間軸をよく調べること。学資保険は払う時間の長さもよくチェックしましょう。
学資保険に加入したい…そういう人が、まずネットや保険ショップ、加入している保険外交員に頼んで「学資保険」のパンフレットなどを入手することがあります。ところが、日本国内には40社以上もの生命保険会社がありながら、学資保険という商品を持っていない会社がかなり含まれています。
「うちでは学資保険というネーミングの商品はありませんが、利率の良い貯蓄商品があります」というセールストークで、別の生命保険に加入する人が毎年多くいるのを、ご存知でしょうか?学資保険の目的は「利率のいい貯蓄」です。ですが、もし他にも高利回りの商品があるのなら、それでもいいかな、と思ってしまうのも無理はありません。
学資保険ならぬ「隠し」保険ともいうべき、保険には「養老保険」がよく使われます。養老保険とは、貯蓄目的の保険のひとつであり、満期保険金と同額の死亡保険金が付いています。例えば、15年の養老保険を想定してみましょう。月々20,000円の掛け金で、15年支払えば360万円。この保険が15年後には400万円になるとすれば、40万円もの金利が付く訳ですから、大変お得といえるでしょう。
ただ、ここで注意が必要なことを覚えておきましょう。学資保険は貯蓄が目的。ですが、保険であるからには生命保険もちゃんと付いています。契約者、被保険者、保険金受取人といった保険にまつわる契約書では、親が契約者、被保険者はこども、保険金受取人は親というのがよくあるケースです。
ここで大事なことですが、保険料を支払い続ける親がもし急死してしまった場合、誰がその後を払い続けるのでしょうか?そもそも、その場合学資保険はどうなってしまうのでしょうか?こういう問題がぞろぞろ出て来ることに注意しなければなりません。答えは、こうです。学資保険は父親、母親などが契約者であれば、その契約者が死亡した場合は、その後の保険料は不要。そしてもし18歳に満期保険金が下りる場合は、子供が18歳時に保険金として振り込まれるのです。
さて、学資保険ではなく、養老保険に加入した場合の問題点は、この契約形態に更に注目しなければなりません。もし、学資保険同様に被保険者が子供になっている場合は、子供が死亡した際に保険金が支払われるのです。つまり、利回りにばかり注目し、万が一親が急死しても、保険金が支払われないどころか、その後の保険料の支払いが出来なければ、貯蓄の意味は完全に失われてしまうのです。ですから、学資保険の代わりになる商品を選ぶ場合は、契約形態に注意が必要です。