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外貨建て保険の販売専門資格が創設される。相次ぐ苦情の根本的問題とは。

2020年2月21日に、生命保険協会は外貨建て保険の販売員を対象とした業界共通の資格試験を創設すると発表しました。
2020年10月から試験を開始し、2022年4月をめどに資格者のみ外貨建て保険が販売が出来るようにするとのことです。

受験には、外貨の基礎知識や商品概要、投資信託など関連分野を含む研修が必要となる予定です。

銀行の窓口を中心に外貨建て保険への苦情件数は増加し、社会的にも問題となっていました。
今回の資格試験制度創設はその対策の一つです。

外貨建て保険の販売は何がダメだったのか

なぜこのような資格制度が作られるかというと、そこには販売に関わる外貨建て保険の問題がありました。

まず外貨建て保険の仕組みですが、一部を外貨で運用し、保険料や保険金の受け取りを外貨で行う保険のことです。

外貨で運用するのでそこには為替リスクが当然伴うわけで、円安が進めば元本割れの可能性もあります。

この外貨建て保険は、保険会社が直接販売する場合と提携会社が販売する場合があり、その提携先の一つに銀行があります。

外貨建て保険に関しては、銀行の窓口での説明が不十分だったと特に苦情が多くなっていました。
銀行の担当者が保険の専門ではなかったり、窓口利用者の多くが高齢者で外貨建て保険の複雑な仕組みを理解するのが難しかったことが問題の理由です。

安易な投資が損につながる

日本の低金利の影響で円建ての貯蓄性保険の販売中止や改定が行われる中、日本より金利が高く、比較的保険料も割安な外貨建て保険は人気商品となり、販売側も強く勧めるようになりました。

最近は「貯蓄から投資へ」という言葉に代表されるように投資にチャレンジする人が増えましたが、投資の必要性を感じつつもその一歩が踏み出せない人も多くいます。

それに加えて、日本には「保険は安心で安全なものだ」という誤った認識が強くあります。
比較的安全な方法でお金を増やしたいという方に外貨建て保険の需要が高くなったのです。

しかし、仕組みをよく理解できないまま外貨建て保険を契約してしまい、元本割れや思ったほど利益が出なかったとクレームに発展してしまったのです。

資格制度で外貨建て保険は安心な保険に変わるのか

これらの問題を解決するための一つとして専門資格制度が創設されるわけですが、これで問題は解決するのでしょうか。
生命保険協会の清水博会長は「資格試験だけで苦情が大きく減少するとは思わない」と述べています。

私自身もこれは難しいと思っています。
私はファイナンシャルプランナーとして講師業を行なっていますが、自分で理解していても人にそれを伝えることの難しさを日々感じています。

資格試験はあくまで知識がどれだけあるか調べるものです。
生命保険協会では、営業手法に関しても今後改善に取り組むとしています。

私は保険も金融商品の一つなので、販売側だけでなく、購入する側もある程度の知識が必要だと思っています。
日本は金融教育後進国と言われていますが、そこにも問題があると思います。
このような問題をきっかけに、ぜひ両者共に金融知識の向上につながる仕組みが欲しいと思います。

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