HOME » 保険の知識全般 » 保険を上手に使って預貯金する方法
生命保険や損害保険には、貯金の仕組みがある商品があります。特に、生命保険には面白いものが数多くあり、会社が全く宣伝していないものが数多くあります。貯蓄率でいえば、一番有名なのは学資保険でしょう。日本生命やソニー生命、フコク生命の学資保険は返戻率が高く、120%以上がかなり多く見られます。
返戻率とはリターンの率をいいます。利回りのことではありません。例えば125%の返戻率となっていた場合は、100万円を積み立てて、125万円戻ってくるという意味です。ですが、銀行と違うのは、半年複利ではないことです。生命保険は15年、18年、22年などの長いスパンで積み立てて行くのが普通です。0歳の子どもが高校に入学するのは15年後。18年後に大学に入学です。これを辿っていけば、125%の返戻率は1%の利回りに相当します。
15年も待てない、という場合は10年ものの養老保険がよいでしょう。養老保険は100万円預けて5万円ほどリターンがあるのが、各社平均です。ただ、一時払いにするともっとリターンが増えて行きます。
面白いのは終身保険でしょう。普通終身保険は20年ほどで払い方を終えるものにしておくと、その後は毎年どんどんリターンが増えていきます。放っておけば毎年2万円ずつ増えるものもありますし、その増加分は固定ですから、老後の貯蓄にもモッテコイといえるでしょう。終身保険の場合は、終身払いではなく「20年」「55歳」などと掛け金を払う期限のあるものにしましょう。実際にリターンがあるのは、その払いが終わった直後からです。
中には変額終身保険というものもあります。変額保険は「利回りが変動」する商品ですから、確定利回り派にはおすすめできません。が、今後の経済を考えると変動利回りの商品を持つことは、リターンを大きく活かす方法のひとつともいえます。それは、自分自身で利回りを増減できる「仕組みが常にある」こと、だからです。
もう一つは確定利回りの終身保険の「一時払い」です。これは保険会社では全く宣伝していません。保険会社によっては「保険設計しているうちに、偶然こうなった」という高利回り商品が出来てしまいます。50歳程度の人が120万円以上の保険料を一括で支払います。3年ほど経つと、年々2万円ほど解約返戻金が増額されます。これは保険会社に自由設計してもらうことで、わかりますので、代理店ではなく直接保険会社の担当者に聞くのがよいでしょう。
保険料の節約、といえば大概の方は「毎月の保険料をリストラすること」と考えがちです。中には、保険そのものを 断捨離 というケースもありますが、これでは本末転倒。万が一の際のセーフティネットは、国の制度・都道府県の制度・市町村の制度・企業の制度、そして最後に個人の自己責任で行われ、そのための道具が「生命保険」と言えるのです。
さて、保険料を節約したい…これは大前提として「必要な保険には加入し、不要なものは加入しない」ということだけでなく「保険に加入することで、貯蓄も一緒に行ってしまおう」という意味も含まれている、ということを抑えましょう。
生命保険について、ここでは「死亡保障」だけを見ていきます。死亡保険金が3,000万円の保険があなたの前に3つ用意されています。まず「31歳から60歳まで」保険料を支払う、という共通点があります。 3つの保険の中で、一番掛け金が安いのは「定期保険」。仮に、毎月の保険料は8,000円としておきましょう。死亡保険金3,000万円、30年間だけの保障で、掛け捨て型です。この場合288万円程度支払えば、この期間内に死亡保険金が3,000万円受け取れます。
次が「終身保険」。毎月の掛け金は5万円、30年間の支払い総額は1,800万円で、死亡保険金額は3,000万円。ただし、一生涯保障は3,000万円です。 最後が「養老保険」。毎月の掛け金は8万3千円程度で、死亡保険金は3,000万円。
さて、この中で一番高い保険はどれでしょうか?だれでも「養老保険」と答えるでしょうし、一番安いのは「定期保険」と答えるでしょう。
ところが、この3つは別の顔を持っていることをご存知でしょうか?
条件は「60歳になった時点で生存していた」ケースです。 定期保険3,000万円の場合、もし60歳で「生存」していた場合、288万円は戻ってきません。つまり、掛け捨てになってしまいます。
ところが、終身保険の場合は1,800万円支払って、60歳前後で解約すると1,850万円、そしてそのまま「寝かせておく」と、解約返戻金が毎月どんどん増えていきます。つまり、1,800万円支払って、1,900万円、1,950万円と貯蓄が出来上がっているのです。
養老保険の場合は、基本的に死亡保険金と満期保険金は同じ金額です。が、実際には満期保険金額は3,000万円よりも少なくとも50万円以上多くなっています。つまり、この場合も積み立てしながら、生命保険は「タダ」ということになるのです。
ここまでのお話で、皆さんはどう思われたでしょうか?単純に生命保険の掛け金を安くしたいなら、定期保険が最適。ですが、万が一支払われる生命保険金を「タダ」で手に入れ、その代わり毎月数万円もの掛け金を貯蓄として払い込む…終身保険と養老保険なら、実は一番保険料を安くすることになるのです。 なかなか文章ではお伝えにくい部分がありますので、この次はぜひプロの保険FPから説明を受け、生命保険の醍醐味を知ってから、加入することをオススメします。