HOME » 保険の知識全般 » かつて養老保険という金融商品がお得でした
養老保険とは、保障と貯蓄機能の両方が合わさった保険です。
養老保険は保険期間が定まっており、例えば30年間の保険期間の場合、
満期を迎えたときには満期保険金が支払われ、保険期間中に被保険者に
万が一のことが起こった際に高度障害保険金又は死亡保険金が支払われます。
養老保険の満期保険金と死亡保険金は同額で、契約翌日から死亡保険金は支払い可能です。
このように保険料は掛け捨てではなく、貯蓄をしながら万が一の場合は保証もされることが
魅力です。
保険というよりは貯蓄をメインに考えられている人が多く、
銀行の定期預金で貯蓄しても、利率で増えた金額に対しては20%の源泉徴収額が引かれますが、
保険であればある一定額まで非課税対象となり、節税にも繋がります。
しかし養老保険は保障も貯蓄も兼ね備えている為、必ず保険金を受け取れる為、
保険料は割高で、掛け捨ての定期保険の何倍もの保険料になります。
更に満期が設定される為、保険期間が決められていますので
保障は満期を迎えればなくなります。
バブル期まで養老保険は主流の保険でした。
予定利率が5%を超え、最高の貯蓄方法として大変人気がありました。
予定利率5%を超えるのですから、多少保険料が高くなっても
無理して加入する人も多かったでしょう。
しかしバブル崩壊後は段々と利率は下がり続け、「逆ザヤ」が発生しました。
「逆ザヤ」とは、当初設定していた予定利率よりも最近の利率が下回り、
その差額を保険会社が負担するというものです。
よって保険会社の負担は増え続け、倒産・合併に追い込まれる会社も多く、
その流れで養老保険は衰退していきました。
バブル期に保険の営業員が当時の予定利率の5%超で説明をし、
「このままいけば20年後にはこんな金額になりますよ!」と金額を提示され、加入者は
その話を鵜呑みにし、満期まで信じていた為、保険会社とのトラブルは
多かったようです。
最近では予定利率はあくまでも予定なので下がることもあります、ときちんと
説明したうえで契約し、金額も確実に受け取れる金額を提示しています。
このような流れで不景気な時代に突入し、下がった利率に高すぎる保険料に
全く魅力などなくなり、現在ではほとんど売られなくなったのが現状です。
現在でも養老保険は存在します。
バブル期には月払いも多かったようですが、
現在は一時払い養老保険が多いです。
一時払い養老保険は、まとまったお金を運用する為に加入するというケースですが、
10年間で100万円預けて5万増えればいい方です。
現在、保険会社は養老保険を売りたがりません。
保障も貯蓄もあるので、どちらの場合でも支払いが必要ですし、あまり売り出していない商品にわざわざ加入する必要もありません。
現在、養老保険に代わる商品といえば、学資保険や個人年金でしょう。
どちらも被保険者が亡くなった場合など既払い保険料相当となっているのがほとんどですが、バブル期には及びませんが、そこそこの利率でお得に加入することができます。
貯蓄を考えているのであれば、どこの保険会社も力を入れている学資年金や個人年金に加入することをおすすめします。
また、養老保険のように保障も欲しいと考えるのであれば、一時払い終身保険です。
一時払い養老保険より利率は良く、銀行が保険会社と提携して保険会社の一時払い終身保険を販売しています。
定期保険よりも利率は良いですし、保険商品ですので節税にも繋がります。最近では利率改定が行われ、若干利率が下がってしまったようですが、銀行に眠らせているよりお得です。
保険商品なので、最初の何年かは途中解約すると元本割れします。
終身保険として預けてもいいですが、預ければ預ける程、解約返戻金は増え続けるので解約したいときに
解約すればいいというものです。
終身保険ですので、契約した翌日から保障がありますし、中には利率を上げる為に契約から何年かは死亡保障を低く設定しているものもあり、貯蓄として活用できます。
養老保険のように保障と貯蓄が一体型になっているものは魅力的ですが、保障は満期を迎えれば終わってしまいます。
貯蓄は満期を迎えても、保障は一生必要なものです。
満期を迎えた後に再度保障を準備しようとすると、その時点の年齢で保険料は設定されてしまいます。
貯蓄とは別で保障を準備し、若い年齢で加入することでなるべく保険料を安くして加入するほうがお得です。
今後も新しい貯蓄商品が発売されるかもしれません。
「貯蓄・資産運用・節税」正しい知識と判断で、お金を上手に活用することが必要です。