HOME » 保険の知識全般 » 障害認定の年金金額、1,2,3級の基準は?FPが解説!
皆さん、こんにちは、今回は、万が一、病気や事故で障害を負った場合に給付される障害年金について解説いたします。
障害年金は、病気や事故で一定の障害を負った場合に給付される年金です。障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。また障害の症状により1級と2級に分かれ、2級よりも軽い場合は障害厚生年金のみの3級、さらに軽い障害の場合は一時金として障害手当金が支給されます。つまり障害基礎年金と障害厚生年金の両方支給されるのは1級か2級の症状に該当した場合となります。
障害の程度は、基準が設けられています。数ある基準から眼の障害について見てみましょう。表の内容以外にも細かい規定があるため、あくまで参考資料としてください。
<眼の障害 認定基準>
1級 | 両方の視力の合計が0.04以下 |
2級 | 両方の視力の合計が0.05以上0.08以下 ほか |
3級 | 両方の視力が0.1以下 |
障害手当金 | 両方の視力が0.6以下 ほか |
悪性新生物による障害の程度(1級~3級)は、総合的な判断で認定されます。こちらも参考としてご覧ください。
<悪性新生物 認定基準>
1級 | 著しい衰弱又は障害で、区分のオに該当する |
2級 | 衰弱又は障害で、区分のエかウに該当する |
3級 | 著しい全身倦怠で、区分のウかイに該当する |
<一般状態区分表>
区分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの |
ウ | 歩行や身のまわりのことはでいるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は起床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
では、障害年金はどのくらい支給されるのでしょうか。1級~3級そして障害手当金によって異なりますので、等級別に確認しておきます。
<障害年金の金額(平成28年度)>
1級 | 障害基礎年金 780,100円×1.25(+子の加算) 障害厚生年金 報酬比例部分×1.25(+配偶者の加給年金額) |
2級 | 障害基礎年金 780,100円(+子の加算) 障害厚生年金 報酬比例部分(+配偶者の加給年金額) |
3級 | 障害厚生年金 報酬比例部分 |
障害手当金 | 報酬比例部分×2(一時金) |
<配偶者の加給年金額と子の加算額(平成28年度)>
配偶者の加給年金額 | 224,500円 |
子の加算額 | 第1子・第2子 224,500円 第3子以降 74,800円 |
※子は、18歳到達年度の3月31日までの子
又は障害等級1級か2級に該当する場合は20歳未満の子
障害年金の額は、老齢年金の額の計算方法とほぼ同じです。780,100円は老齢基礎年金の満額ですし、報酬比例部分は老齢厚生年金の額で、300月(25年)に満たない場合は300月(25年)として計算します。配偶者の加給年金額や子の加算額も老齢年金と同じです。ちなみに障害基礎年金の1級は780,100円の1.25倍ですので、975,125円となります。老齢年金は65歳から支給されますが、障害で一定の症状になると65歳未満でも障害年金として老齢年金の金額(に基づいて算出した金額)が支給されるという仕組みです。
障害の程度により障害年金額が変わりますが、支給されるためには要件を満たしている必要があります。保険料を納めていることが原則となりますが、具体的に障害年金の支給要件を確認しておきましょう。
<障害基礎年金の主な支給要件>
・初診日に国民年金の被保険者であること(20歳前や60歳以上65歳未満を含む)。
・初診日前日に、前々月までの被保険者期間のうち「保険料納付済期間+保険料免除期間」が3分の2以上あること。又は初診日に65歳未満で、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
<障害厚生年金の主な支給要件>
・初診日に厚生年金の被保険者であること。
・初診日前日に、前々月までの被保険者期間のうち「保険料納付済期間+保険料免除期間」が3分の2以上あること。又は初診日に65歳未満で、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
次に、障害と認定される時期について解説いたします。障害認定は、初診日から1年6ヵ月経過したとき(又は傷病が治ったとき)に障害の状態にある時点、または65歳に達するまでの間に障害の状態になった時点です。
また障害厚生年金には障害手当金があります。障害手当金は、初診日から5年以内に病気やケガが治り、その症状が障害厚生年金の1級~3級よりも軽い障害が残った場合に障害手当金として一時金が支給されます。
障害基礎年金の保険料は、国民年金保険料で、20歳から60歳の間支払います。もし20歳に到達する前に病気やケガで障害を負った場合でも障害基礎年金が支給されます。
ただ、20歳未満は保険料を納めていないため、所得が多い人は支給停止となる所得制限が設けられています。
<20歳前傷病による障害基礎年金の所得制限>
一人世帯 | 支給停止額 |
所得額360.4万円超 | 年金額の半分 |
462.1万円超 | 全額 |
二人世帯 | |
所得額398.4万円超 | 年金額の半分 |
500.1万円超 | 全額 |
※世帯人数が一人増加すると、扶養親族一人につき所得制限額が38万円加算されます。
※扶養親族が老人控除対象配偶者や老人扶養親族の場合、一人につき48万円加算、特定扶養親族等の場合、一人につき63万円加算されます。つまり所得額が加算され、所得制限が緩和されます。
国民年金保険料や厚生年金保険料は65歳から受け取れる老齢基礎年金や老齢厚生年金のために支払っているという印象が強いかもしれませんが、今回解説したように障害の状態になった場合にも支給されますし、亡くなった場合には遺族に支払われる遺族年金の役割もあります。しかも被保険者期間が短く、十分に保険料を払えなかったとしても、短期要件として300月(25年)支払ったとみなしてもらえます。これほど万能な保険商品はありませんので、保険商品を選ぶ前に、社会保険制度の仕組みについてしっかり確認しておきましょう。
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