HOME » 生命保険 » 貯蓄型生命保険はかんぽや日本生命が人気?選び方を考える
貯蓄として利用できる生命保険
今の日本は「低金利時代」と言われています。銀行にお金を預けていてもほとんどお金が増えることはなく、むしろ近年では消費税の増税や物価の上昇など、お金の価値が下がっているため、銀行に預けたままでは資産は目減りしていくと言われています。
そのような中で、効率的にお金を増やす方法として、生命保険会社では貯蓄型生命保険が販売されています。銀行よりも高い利率で、十数年など中〜長期的にお金を増やすことができ、また元本割れリスクがないということで非常に人気があります。
とりわけ、「一時払い」と言われる、貯蓄型生命保険に必要な保険料の支払いを一括でおさめるタイプの商品は、まとまったお金を資産運用することができ、十数年使うことなく寝かせておけば大きくプラスになって戻ってくるため、資産運用に非常に効果的です。
今回はこの、「一時払い」タイプの貯蓄型生命保険を選ぶときの選び方、有効な活用方法をご紹介したいと思います。
はじめに、「一時払い」タイプの貯蓄型生命保険の種類についてご紹介します。「一時払い」タイプの貯蓄型生命保険は、大きく分類して以下の2種類に別れます。
[一時払い]タイプ貯蓄型生命保険の種類
・数年後にいくら受け取れるか確定しているリスクがないタイプ
・数年後にいくら受け取れるか確定していないリスクがあるタイプ
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1つめの「数年後にいくら受け取れるか確定しているリスクがないタイプ」ですが、これは主に生命保険会社側で運用を行い、生命保険会社が持っている不動産や株式、国債などで運用するタイプの商品です。生命保険会社側で運用するため、リスクは生命保険会社が負うので、貯蓄型生命保険に加入したお客様はリスクを負うことなく、数年後または十数年後にいくら受け取れるか決まっています。契約時に、何年後にいくら増えているかの一覧表を見ることができ、その期間寝かせて待っておけば必ずそのお金を受け取ることができます。このタイプの貯蓄型生命保険の商品名は具体的に、「一時払い養老保険」や「円建て一時払い終身保険」などと言います。それぞれによって細かい特徴は違いますが、「貯蓄」という点では、何年後にいくら受け取れるか決まっていることは共通しています。
2つめの「数年後にいくら受け取れるか確定していないリスクがあるタイプ」ですが、これは主に運用をお客様自身が行うか、為替など変動要因が大きい資産運用商品で運用するタイプの商品を指します。お客様自身が運用を行う商品を「変額保険」と言い、保険会社が指定した8〜10種類の資産運用先に、お客様自身でどこにどれだけ運用するか配分を決めます。資産運用先には、「日本株式」や「世界株式」などハイリスク・ハイリターンな商品や、「日本債券」や「世界債券」などローリスク・ローリターンな商品があります。そして、お客様自身で指定した配分によって、大きな利益を獲得することもあれば、場合によっては元本割れを起こしてしまうこともあります。大きな利益を獲得したときは、1つめにご紹介した生命保険会社が運用する利益が確定した貯蓄型生命保険よりも高い利益を受け取るときもあります。
また、為替など変動要因が大きい資産運用商品で運用するタイプの商品は、「米ドル」や「豪ドル」、「ユーロ」など海外の通貨で運用を行い、為替差益によって利益を獲得する商品となります。2〜3年前から起きている、世界的な景気上昇時には、日本円も円安に振れたため、米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で運用した方は大きな利益を獲得することができますが、逆にリーマン・ショックの時などは世界的な不況に見舞われたため、日本円は円高に振れ、本来預けていた元本よりも大きく割れこんでしまうという事も起きてしまいます。
[数年後にいくら受け取れるか確定しているリスクがないタイプの貯蓄型生命保険イメージ図]
[数年後にいくら受け取れるか確定していないリスクがあるタイプの貯蓄型生命保険イメージ図]
これまで、貯蓄型生命保険には2種類の商品があるということをご紹介してきましたが、では何を基準に貯蓄型生命保険を選べばよいのか、貯蓄型生命保険の選び方についてご紹介します。
貯蓄型生命保険の選び方の一つ目として、以下を検討して頂きます。
「資産運用系商品に抵抗がないか(過去に資産運用を行ったことがあるか)」
過去に自分自身で株式やFXなど資産運用を行った経験がある方は、前述のリスクがあるタイプの商品に対して抵抗は少ないと思います。しかし、資産運用を行った経験がない方は元本割れリスクに対して非常に抵抗があるため、そういう方は1つめにご紹介したリスクのない商品を選ぶと良いでしょう。また、資産運用の経験がない方でも、ご自身の性格や預ける資産の運用目的によって適正があると思われる方はリスクがある商品を選ぶのも良いでしょう。
では、リスクがない商品で資産運用を行いたいという方は何を基準に選べれ良いかご紹介します。リスクがない商品の場合の選ぶ基準は、「利率」だけです。何年後にいくらプラスになるかによって利率が分かりますが、生命保険会社によってこの利率が異なるため、もっとも利率の高い商品を選ぶことが大切です。
次に、リスクがある商品を選ぶ基準は、以下の2つのどちらかを選びます。
・株式や債券など複数種類から資産運用を行いたい
・為替差益を使って資産運用を行いたい
日本や海外の経済情勢に敏感な方、細かくチェックできるという方は、株式や債券など複数種類から資産運用ができる商品を選んでいただき、その時の経済情勢によって日本株式や世界株式、日本債券や海外債券などこまめに配分を変えて資産運用することで大きな利益を獲得することができます。逆に、リスク商品をやりたいけれど、頻繁に経済情勢をチェックできないという方には、外貨による為替差益を使って資産運用を行う方が細かいメンテナンスもなく手軽なので適しているかと思います。
これまで、一時払いの貯蓄型生命保険の種類や選び方についてご紹介してきましたが、最後に一時払いの有効活用方法についてご紹介したいと思います。一時払いの商品はある程度まとまった資金が必要となるため、以下に該当される方は検討されると良いでしょう。
・定年退職で退職金をもらったがまだ働きたいという方
・両親が亡くなり高額のお金を相続して使いみちに困っているという方
現在、定年退職は65歳としている会社が多いですが、実際、65歳で仕事を辞め、隠居されるという方は少ないです。定年まで勤めて退職金をもらった後に、再雇用としてまた働く方、または定年退職後に再度就職活動を行い、仕事をされる方は非常に多いです。そのような方の場合、定年退職時に退職金というまとまったお金を受け取っても直近で使う用途がないため、効率的に資産運用するために一時払いの貯蓄型生命保険を活用されるのは非常に良いです。
また、両親が亡くなり、両親からの相続で高額のお金を受け取ったという方も一時払いの貯蓄型生命保険は非常に適しています。ご自身はまだ現役で働いており、またご両親から受け継いだ大事なお金ですので浪費せず、効率的に増やしていくためには銀行預金で寝かせておくのではなく、一時払いの貯蓄型保険に預けることで、ご自身が定年退職後など必要となった時に大きくプラスになって受け取れるため、ご自身のためにも、またお子さまにお金を残すためにも有効活用することができます。