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生命保険協会の生命保険相談所とは?事業内容について


日本にある生命保険会社すべてが加入している「生命保険協会」とは?
今、日本に生命保険会社は何社あるかご存知でしょうか?日本生命や第一生命、住友生命や明示安田生命など100年以上もの歴史のある生命保険会社から、ライフネット生命といったような創業10年未満の創業間もない生命保険会社まで含めると、現在約40社近い生命保険会社が日本に存在しています。その約40社近い生命保険会社すべてが加入している団体に「生命保険協会」というものがあります。生命保険協会の発祥は1898年に「生命保険会社談話会」という団体から始まり、1908年に生命保険協会と名称変更してからすでに100年以上の歴史がある協会となります。普段なかなか聞くことのない生命保険協会ですが、今回はこの協会の事業内容、また事業の1つである生命保険相談所についてご紹介していきます。
はじめに、生命保険協会の事業内容について見ていきましょう。生命保険協会は、「日本における生命保険業の健全な発達および信頼性の維持を図り、もって国民生活の向上に寄与すること」を目的としており、主に以下の8つの事業を展開しています。

1.生命保険事業に関する情報提供および理解促進に関する事業
2.生命保険に関する相談、苦情対応および紛争解決に関する事業
3.生命保険事業の適切な運営を確保するための制度および施策に関する事業
4.社員会社等の職員に対する教育および研修に関する事業
5.生命保険の理論および実務等に関する調査研究に関する事業
6.関係官庁、関係機関その他に対する意見の表明等に関する事業
7.社会的責任を遂行するための事業
8.その他本協会の目的を達成するため必要と認めた事業
 

以上の8つとなります。非常に難しい言葉が並んでおり、何を行っているのかよく分からないと思われる方も多いと思いますが、分かりやすく表現すると以下が主な事業であることがわかります。

・生命保険についての知識をつけていただくための情報提供など
・生命保険に関してトラブル・苦情が起きた場合の対応窓口
・生命保険会社社員への生命保険に対する知識をつけていただくための研修など
 
これらが生命保険協会の主な事業ということになります。この中の「生命保険に関してトラブル・苦情が起きた場合の対応窓口」事業の1つに、生命保険相談所という窓口を設けています。次に、この生命保険相談所について見てみましょう。

生命保険に関するトラブル・苦情対応窓口を行う「生命保険相談所」とは?

生命保険協会は生命保険に関するトラブル・苦情などの対応窓口として、生命保険相談所を設置しています。生命保険相談所は、生命保険のご契約者をはじめ、広く一般のみなさまから生命保険に関する相談・照会を行っており、また、保険業法に定める指定紛争解決機関として、苦情の対応に向けた支援を行っています。生命保険相談所は電話による相談、来訪しての相談のどちらにも対応しており、土・日・祝日・年末年始を除く9:00〜17:00までの間対応しています。
また、来訪する場合は、全国53ヶ所に生命保険相談所の連絡所を設置しているため、各都道府県のどこにお住まいの場合でも最寄りの連絡所に訪問することができるようになっています。基本的には生命保険に関するトラブル・苦情については加入している生命保険会社に問い合わせを行い、解決しますが、生命保険会社でも解決できない場合、生命保険会社が生命保険協会に解決依頼を
行うことで、生命保険協会が中立の立場となって紛争解決をします。

この紛争解決する生命保険協会の機関を「裁定審議会」と言います。裁定審議会は、お客さまが生命保険会社と話し合いをしてみたけれど、それでもトラブルが解決しない場合、生命保険相談所がお客さまから苦情の申し出を受けてから生命保険会社へ連絡をし、生命保険会社が解決を行いはじめてから1ヶ月を経過しても問題が解決しない場合、裁定審議会に申し出ることによって和解案が提案され、解決へと導いてくれます。つまり、お客さまと生命保険会社とのトラブル・苦情における最終的な解決窓口を行っているのです。
生命保険に関するトラブル・苦情に対して、生命保険相談所、裁定審議会を利用する場合の利用の流れは以下のようになっています。

[裁定審議会利用の流れ]

なお、裁定審議会を利用した場合の裁定費用は無料となっていますが、通信費や事情聴取に出席される場合の交通費、その他手続き費用はかかります。

生命保険に加入しているお客さまを守る機関である「生命保険協会」
これまで見てきたように、生命保険協会とは生命保険に加入しているお客さまを守る機関であることが分かりました。生命保険は目に見えない商品だけに、お客さまと生命保険会社との間での認識の違いによるトラブルは非常に起こりやすいです。実際に2014年の1年間の間だけでも一般的な相談だけで年間6,067件、苦情相談では5,186件あり、合計11,253件もの相談がされています。また、その中で裁定審議会を利用して紛争解決をした件数は194件あり、平成23年の年間260件のピークからは減少傾向にあるものの、まだ数多くのトラブル・苦情が起きていることは事実なのです。一般的な相談、また苦情相談の具体的な内容として多いのは以下のようになっています。

[一般的な相談]
1.保全関係(契約更新や契約内容の確認など、契約に関する相談)
2.新契約関係(はじめて生命保険契約をする場合の相談)
3.保険金、給付金関係(保険金や給付金の請求・受け取りに関する相談)

[トラブル・苦情相談]
1.保険金・給付金関係(保険金や給付金の請求・受け取りに関する相談)
2.新契約関係(はじめて生命保険契約をする場合の相談)
3.保全関係(契約更新や契約内容の確認など、契約に関する相談)

このように見ていくと、一般的な相談の多い順とトラブル・苦情相談の多い順が逆になっていることがわかります。特に、トラブル・苦情相談ではやはり生命保険に加入する目的である保険金、給付金の請求・受け取りに関する相談がもっとも多いというのは、生命保険契約のときに説明を受け、認識していた保険金・給付金の金額と、実際に保険金・給付金を受け取るとなった場合の金額が違っていたり、また事由によっては保険金・給付金が受け取れない場合があるがその説明を受けておらず、保険金・給付金の請求をしたが受け取れなかったという場合が多いのです。

具体的に見てみると、例えば医療保険における入院給付金が支払われなかったという苦情が716件あり、苦情件数の中でももっとも多いのです。苦情の2番目の新契約関係でも、もっとも多い内容は「説明不十分」、次いで「不適切な募集行為」といったように、生命保険の営業募集が十分な説明をせず、また強引な勧誘をしているといった苦情が多いのです。
生命保険は長期にわたって支払い続けるものであり、また年齢が上がるごとに保険料が高くなったり、また場合によっては加入できなくなるということもあります。十分な説明を受けずに契約をしてしまい、後々になって保険金・給付金が受け取れなくて後悔することになってしまったという事がないよう、生命保険の加入前には必ず、どのような場合に保険金・給付金を受け取ることができ、またどのような場合には保険金・給付金が受け取れないのかといった詳しい内容まできちんと把握しておくことが大切なのです。

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