HOME » 保険の知識全般 » 医療保険の生存祝い金特約とは?メリットデメリットを解説
生命保険とは加入した方が万が一亡くなった場合に、残されたご家族に死亡保険金が支払われる、いわゆる死亡保険のことを言います。しかし、日ごろから自分自身が死ぬという事をイメージされている方は少ないため、生命保険に入るキッカケは、結婚した時や子供が生まれた時など、自分以外に守らなければいけない人が出来たという責任が発生した時がほどんどです。
このような生命保険に対し、医療保険は自分自身が病気やケガで入院した時などに、入院給付金や手術給付金として受け取れるため、自分が生きている中での金銭的な負担を軽くさせるための保険です。入院や手術に対しては、日ごろの生活で少し体調が悪く感じられた時や、身近に病気になった方、入院した方などを目の当たりにする事もありますので、比較的イメージが付きやすいため、若いうちや健康なうちでも医療保険に入っておきたいといった要望は多くあります。
このような医療保険ですが、当然健康なうちは医療保険を利用する事もないため、一向に病気にならなかった時に、掛けていても損なのではと疑問を感じてしまう時があります。もしもの時の備えなのに、全然その「もしも」がやって来なかったら、備えはいらないのではと思ってしまうのです。そのような方のために、医療保険のオプションとして付けられる機能として、「生存祝い金特約」というものがあります。生存祝い金特約とは、一定期間健康であった場合に、健康お祝い金として数万円のお金が返ってくるというものです。医療保険に入っておいて、健康だったらお金の一部が返ってくるというので、特に女性に人気の生存祝い金特約ですが、今回はこちらについて詳しく見ていきたいと思います。
では、その生存祝い金特約の内容についてまずは見ていきたいと思います。生存祝い金特約は「健康祝い金特約」などいくつか名前が付いていますが、今回はアフラックの医療保険「EVER」につけられる生存祝い金特約について見てみましょう。
アフラックの生存祝い金特約の内容は以下のように書かれています。
[特徴]3年ごとに3万円のお祝い金をお受け取りいただけます。
[支払事由]3年ごとの契約応当日に生存しているとき
[給付金額]1回につき3万円
[保障期間]15年
アフラックの生存祝い金特約は、契約から3年ごとに、生存していればどのような状態であっても1回につき3万円受け取ることができます。
これは、アフラックの健康祝い金特約の場合の内容であって、他社の健康祝金特約も同じ内容ではありませんのでご注意が必要です。一般的な健康祝金特約では、5年に1回、病気やケガなどで入院・手術をせず健康に過ごした場合にお祝い金が出るというものです。これは、逆を言えば5年間の中で一度でも医療保険の給付金の支払事由となる入院や手術をした場合には健康祝金が受け取れなくなります。医療保険は病気やケガで入院してしまった場合の備えとして持つものですが、医療保険を使わず健康であった場合に健康祝金がもらえるというのは果たして得なのでしょうか、損なのでしょうか。
次に、生存祝い金特約のメリット・デメリットについて見てみたいと思います。
生存祝い金特約のメリット・デメリットは大きく以下となります。
[生存祝い金特約のメリット]
・ 医療保険に加入しながらも、健康だった場合に一定期間ごとに健康祝い金をもらうことができる
[生存祝い金特約のデメリット]
・ 健康祝い金特約を付けようとした場合、例えば5年ごとに5万円受け取れるようにするためには、健康祝い金特約として保険料を5年間で合計約49,000円ほど上乗せして支払わなければいけない
・ 5年間のうち一度でも入院、手術など医療保険の給付金の受け取りをした場合は健康祝い金をもらうことが出来なくなってしまう。
ではこちらを詳しく見ていきましょう。
初めに、メリット部分ですが、こちらは先ほどからお伝えしてる通り、5年間など一定期間ごとに健康だった場合にお祝い金が受け取れるということが生存祝い金特約の1番のメリットです。しかし、こちら以外に特にメリットと言えるものがないとも言えます。
注目すべきはデメリットの部分です。
デメリットとして記載した1つ目の部分ですが、生存祝い金特約や健康祝い金特約は、医療保険に生存祝い金特約を付けようとした場合、通常の保険料に上乗せして保険料を支払わなければいけません。例えば、5年間で5万円の生存祝い金が受け取れる特約を付けようとした場合、5年間で約49,000円ほど上乗せして保険料を支払うことになります。
そしてデメリットに記載した2つ目となりますが、5年間の中で一度でも入院や手術をした場合に、5年後の生存祝い金は受け取れなくなってしまいます。5年間で49,000円積み立て、健康だった場合は50,000円受け取れるが、一度でも病気などしてしまった場合は積み立てた49,000円がすべてなかった事になってしまいます。
生存祝い金特約の仕組みを図に示すと以下のようになります。
また、②の場合のように途中で病気やケガで入院・手術をし、生存祝い金を受け取れなくなった場合でも、この特約を辞めない限りずっと、生存祝い金特約の保険料は支払い続けなければいけません。その時はそれまで積み立てた生存祝い金特約の保険料も返ってきませんので、それまで積み立てたものが一切なかった事になってしまうという事も注意しなければいけません。
先ほどご紹介したアフラックの医療保険EVERに付けられる生存祝い金特約は、5年間の間に入院・手術をした場合でも5年ごとに生存祝い金を受け取ることができるとありますが、この場合でも生存祝い金の5万円を受け取るために上乗せして払わなければいけない保険料は、5年間で48,000円〜49,000円かかると思われます。1,000円〜2,000円プラスしてお金を受け取るために、途中で病気になったら受け取れなくなるというリスクがある事や、また5年間は引き出すことも使うこともできなくなるという点も踏まえて、生存祝い金特約は付けるべきなのか考える必要があると言えます。
これまでの話を踏まえ、生存祝い金特約は入るべきなのでしょうか、入らないべきなのでしょうか。
結論から言いますと、ほとんどの場合入らなくて良い特約と言えます。理由はこれまでご紹介してきた事がほとんどです。この特約は他の医療保険に付けられる特約と違い、保障を上乗せしてくれるものでも、貯蓄性があるものでも何でもありません。なかなか入ろうというキッカケがない医療保険に対して、入るキッカケの1つとして「お金が戻ってくる」というキャッチフレーズや「お金が貯められる」という側面をアピールして加入促進に繋げようとした、保険会社側の営業戦略、訴求活動の1つに他なりません。「損をしたくない」という人の感情を逆手にとったものと言えます。
最近では生存祝い金特約を提供している保険会社は減ってきましたが、一昔前にはかなり多くの保険会社が提供していました。今なお生存祝い金特約付きの医療保険に入っているという方は、今からでも見直しを行い、付いていない医療保険に切り替えたとしても、今よりも保険料は安くすることができるかもしれませんので、本当に得なのか損をしてしまっていないかをしっかり見極め、必要であれば医療保険を見直すと良いでしょう。
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