HOME » 保険の知識全般 » 保険会社の格付けとはどういったもの?
生命保険は長期にわたる契約のためその安全度も保険会社を選ぶ重要なポイントになります。保険会社の安全度の判断材料とし主に格付けとソルベンシ-マージン比率(支払い余力比率)があります。格付けとは保険会社の財務力や支払能力から見た成績表で、複数の格付け機関がそれぞれの調査に基づいて発表しています。スコアという記号で表すのが一般的でたとえばスタンダード&プアーズではAAAが最上位、BBB以上のクラスが安定的な会社とされBB以下のクラスが投機的な会社としています。
最下位のCCは保険契約債務を履行する能力は極めて弱く、債務をすべては履行できない可能性が高いとしています。保険を契約する場合、BBB以上できればA以上のクラスの保険会社を選択することが大切です。ソルベンシーマージン比率とは、予測できない大災害が発生した場合に各保険会社にどれだけ保険金支払能力があるかを数値化したものです。保険会社が決算時に公表します。一般的に200%以上が安全の目安とされています。ソルベンシーマージン比率が1000%を超える保険会社も複数ありなるべく高い保険会社を選択するのがベターです。保険会社の経営の健全性を示す重要な指標ですが、格付けやソルベンシーマージン比率はあくまでひとつの目安で、現時点で良いからといって将来にわたって絶対ということではありません。また、ソルベンシーマージン比率は歴史の浅い保険会社に高めの数値が出る傾向があります。それぞれ生命保険を選ぶひとつの目安とし、合わせて企業規模や成長性を考えるこが大切です。また可能であれば保険契約を複数の保険会社に分けることでリスクを分散することが出来ます。
保険会社が破たんしたときには生命保険契約者保護機構により一定の契約者保護が図られます。生命保険契約者保護機構とは、保険業法に基づいて平成10年に設立された機構で国内で事業を行う全ての生命保険会社が加入しています(除く共済等)。生命保険契約者保護機構は生命保険会社が破たんした場合にはその保険会社が保有する保険契約を移転し保険金の支払いに資金援助を行います。破たんした時の対応は救済保険会社があるかないかでわかれますが、いずれの場合も保険契約は継続され生命保険契約者保護機構によって保険契約の責任準備金の90%までが補償されます。ただし保険金の90%ではありません。解約返戻金の90%と考えるとよいです。責任準備金とは保険金の支払いに備え積み立てている準備金のことで保険業法により保険会社に積み立てが義務付けられています。破たんした生命保険会社によっては契約条件が変更されます。財務状況により責任準備金の削減と予定利率の引き下げが行われ保険契約者にとって不利になることがあります。