学資保険とはどういうもの?
皆さん、学資保険というものを聞いたことがあるという方はいますか?おそらく、子どもがいる方であれば一度はその名前を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
学資保険とはその名のとおり、生命保険会社が販売している、子どもの学資金(教育費)のための保険です。保険とはいっても、学資保険の目的はこどもの学資金を貯蓄するためのもので、子どもが大学に進学する17歳・18歳の頃を満期としてお金を積み立て続け、満期になるとそれまで積み立てた金額よりもプラスになって返ってくるため、子ども大学進学費用を貯蓄することができるというものです。
学資保険は様々な生命保険会社が販売しています。もっとも有名なところは、郵便局のグループ会社である、かんぽ生命も「はじめのかんぽ」という名前で学資保険を販売しています。
今回はその中の1つ、日本生命の学資保険について見ていきたいと思います。
日本生命は、日本にある生命保険会社の中でももっとも大きく、1889年創業と約130年近い長い歴史がある生命保険会社です。日本生命の学資保険は、「ニッセイ学資保険」という名前で販売しています。
次から詳しく見ていきましょう。
では、ニッセイ学資保険の商品内容について詳しく見ていきましょう。ニッセイ学資保険の特長として、大きく以下の3つのポイントがあります。
1、 特に負担の重い大学の教育資金を計画的に準備できます
2、 お払込みいただいた保険料より大きな教育資金をお受け取りいただけます
3、 ご契約者が保険料払込期間中に亡くなられた場合、将来の保険料の払込は必要ありません
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
まず1つ目に「特に負担の重い大学の教育資金を計画的に準備できます」とありますが、これは最初にお伝えしたとおり、学資保険の最大の目的となります。子どもが生まれてから大学入学する約18年間の間に毎月積み立て続け、子どもの教育費の中でももっとも負担が大きい大学進学のための貯蓄をするというものになります。
他の生命保険会社が販売している学資保険は、それまで積み立てて運用されたお金を、大学入学する前の1回にすべてまとめて受け取るというタイプが主流ですが、ニッセイ学資保険は、積み立てて運用されたお金のうち、一部を大学入学前に、残りを大学1年から4年までの計4回にわけて受け取るという特長があります。
この特長を図に示すと以下のような形となります。
[ニッセイ学資保険 イメージ図]
例えば、ニッセイ学資保険で総額300万円受け取れるものに加入した場合、300万円のうち100万円を大学入学前に一度、まとまって受け取ることができます。その後、大学1年から4年までの4年間の間、毎年50万円ずつ合計200万円を受け取り、合計300万円の学資金を受け取ることができるというのがニッセイ学資保険の特長となります。
続いて2つ目にある「お払込みいただいた保険料より大きな教育資金をお受け取りいただけます」ですが、これについては、学資保険の中でもっとも重要な、「返戻率」というものについてご説明します。返戻率とは、それまで積み立てた金額と、満期の時に受け取れる金額の割合のことを言います。
積み立てた金額を受け取れる金額が同じであった場合、返戻率は100%となり、積み立てた金額よりも受け取れる金額の方が大きい場合、返戻率は100%以上となります。例えば、100万円積み立てて110万円受け取った場合、返戻率は110%ということになります。
では、ニッセイ学資保険の返戻率はどれくらいなのでしょうか。
日本生命のホームページ上に例が書かれていますので、そちらをご紹介したいと思います。
ニッセイ学資保険で学資金として総額300万円受け取りたい場合、これに対して積み立てる金額は約272万円となります。300万円の受け取りに対して積み立てが272万ですので、300(万)÷272(万)×100≒110.3(%)
ニッセイ学資保険は返戻率が約110%ということになります。
では、この返戻率110%というのは、他の生命保険会社の学資保険と比べて、高いのでしょうか、低いのでしょうか。
インターネット上で「学資保険 返戻率 ランキング」と検索するといくつかの情報が書かれていますので、その中の1つをご紹介したいと思います。
他の生命保険会社の学資保険の中でもっとも返戻率が高いとして人気なのが、フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」がよく挙げられています。フコク生命のみらいのつばさの返戻率は約110.1%と書かれています。また、他では明治安田生命の学資保険「つみたて学資」では、返戻率は約114.4%と書かれています。ニッセイ学資保険の返戻率は他の生命保険会社の学資保険と比べても、返戻率は良くもなく悪くもなくといった結果でした。
最後に3つ目の「ご契約者が保険料払込期間中に亡くなられた場合、将来の保険料の払込は必要ありません」ですが、これは学資保険に関わらず、多くの生命保険商品につけることができる特約(オプション)に、「保険料払込免除特約」というものがあります。これは、保険料を支払っている間に、万が一亡くなってしまった場合や三大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中)となった場合に、それ以降の保険料の支払いが免除されるというものです。ニッセイ学資保険も他の商品と同様に保険料払込免除特約を付けることができるということです。
日本生命の学資保険には、先ほどまでご紹介したニッセイ学資保険以外にも、もう1つ学資保険の商品があります。この商品名は「げ・ん・き」という名前なのですが、こちらの特長についても見ていきましょう。
[ニッセイの学資保険「げ・ん・き」の特長]
1、 小学校・中学校・高校・大学入学にあたる年齢ごと、および満期時にお祝い金を受け取ることができます
2、 据え置かれたお祝い金は、お申し出によりいつでも引き出すことができ、据え置かれた間は所定の利率により計算した利息が付きます
3、 契約者の方が亡くなられた場合、以後の保険料のお払込みは必要ありません。育英年金は満期まで受け取れます。また、お祝い金等の保障内容はそのまま継続されます
先ほどご紹介したニッセイ学資保険と比べると、小学校・中学校・高校・大学などの進学時期にお祝い金が受け取れるという点が大きく異なります。大学入学だけでなく、それぞれの進学時期には入学費や制服代、教科書代など様々なお金がかかります。もう一つの学資保険「げ・ん・き」では、それぞれの進学時期にお祝い金を受け取ることができ、金銭的な負担を軽くすることができます。また、仮に必要ないといった場合には受け取らずに据え置くことで、所定の利率により運用することで据え置いたお金にも利息が付いてプラスとなって後々受け取ることができるのです。
では、先ほどお伝えした返戻率ですが、新しい学資保険「げ・ん・き」は一体どれくらいの返戻率なのでしょうか。
調べてみると、こちらの返戻率は約114%となっていました。先ほどご紹介した明治安田生命のつみたて学資と並んで、現在ではもっとも返戻率が高い学資保険の1つと言えます。ニッセイの学資保険「げ・ん・き」では、それぞれの進学時期に受け取れるお祝い金を据え置くことによって、そのお祝い金が運用されるため、実際には114%よりも高い返戻率にすることができます。そのような事も含めれば、今のところ日本の学資保険の中でもっとも返戻率が高い学資保険と言えるでしょう。