「掛け捨て」という言葉がありますが、どんなイメージを持たれるでしょうか?当たるも八卦当たらぬも八卦…といえば宝くじが当てはまりますが、生命保険にも似たような感覚があるものです。
誰だって長生きして、人生を楽しみたい。ですが、世の中には病気もあれば事故も存在します。それが死に至る場合が数年に及ぶこともあれば、一瞬で命を落としてしまう場合もあります。平成25年(2013年)の交通事故死者数は前年より38人少ない4,373人で、13年連続の減少、でしたが、この数字はあくまでも「事故が起きてから24時間以内の死亡者数」に過ぎません。
急性患者を一時的に救命できても、二日後、一週間後に亡くなる数字は含まれていませんから、実際の交通事故死はその数倍となるでしょう。また、平成に入ってからの大地震、津波、突風、豪雨による土砂崩れなど、自然災害は留まるところを知りません。こういった不可抗力による死亡事故は、ある日不意に起こってしまうのです。
さて、定期保険はこうした「万が一の保障」を出来るだけ「安く」購入するのにぴったりの保険商品といえましょう。なぜ安いのか、というと「掛け捨て」だから、というのが答えなのです。つまり、定期保険は通勤電車の定期券同様「一定範囲内に起こる死亡、あるいは高度障害状態」にのみ保険金を支払う、のであって、もしなにも起こらなければ「掛け捨て」なわけです。
定期保険は損、掛け捨ては損…そういうイメージの方は、まさにこの部分にスポットを当てているから、と考えられます。ですが、定期保険は実は多くの種類があることを知れば、損ではないことが分かってきます。
例えば、遺族年金を考えてみましょう。35歳男性、30歳女性の夫婦に3歳の子どもがいた場合を想定します。もし35歳男性が亡くなった場合、遺族年金(遺族厚生年金、遺族共済年金など)が妻、子どもに支払われます。これは子どもが18歳になるまでは子どもの分が加算され、以後は妻の分だけが支払われます。
仮に月額30万円の遺族年金が支払われたとしましょう。年間で360万円、子どもが18歳になるには15年の歳月が必要です。子どもの分が月額5万円としてみれば、年間で60万円が子どもの分、となるのです。
現在から15年間の子どもの受取る遺族年金の総額は900万円。ということは、900万円を一括保険金として受取るのと変わりません。ただ、一年過ぎると60万円は受取っていますから、来年は840万円、と減っていきます。仮に妻の分も15年だけ加算してみましょう。二人で月30万円ですから、15年で5,400万円。これも一年ごとに360万円受取済みになるのです。
定期保険の見方はこういう「右肩下がり」の保障を考えていくべき、というのが一般的なのです。ぜひ相談してみましょう。