子どもの教育資金を効率的に貯める方法とは?
子どもが生まれたとき、生まれた喜びとともに考えなければいけないことは、「将来の子どもの教育費」なのではないでしょうか。
最近、子どもの奨学金による問題がニュースなどで非常に話題となっています。子どもが大学進学のために奨学金を借りたものの、社会人になって奨学金の返済が始まってから、正社員の職に就けず給料が安くて毎月の給料ではとても返していけない、また、大学4年間にかかる学費すべてを奨学金で払ったため、奨学金で借りた金額が多すぎて毎月の返済額が非常に高額となってしまい、返済できない状態になっているといったものです。
昔から変わらず今も、就職は学歴で左右されてしまう側面があるため、就職するために大学進学をする方も非常に多いというのも事実です。そのためには計画的に子どもの大学進学資金を積み立てておく必要があるのですが、全然積み立てがされておらず、子どもがいざ大学進学するとなった時に、お金を工面するため、泣く泣く奨学金を利用しているという子どもも少なからずいるのです。
このような事にならないためにも、子どもが生まれた時、計画的に子どもの進学資金を積み立てておく必要があります。
子どもの進学資金を積み立てる方法は様々な方法があります。銀行預金で積み立てることも方法の1つではありますが、今の時代、銀行預金はほとんど利息がつかないため、10年以上コツコツと積み立てをしても積み立てた金額以上にお金が増えることはほぼありません。子どもの進学資金は通常、途中で引き出したりせず、10数年と積み立てを行っていくものですので、積み立てたら積み立てたお金(元本)以上にお金が増えるよう、利率の良い所へ預けた方が効率的にお金を増やす事ができます。長い時間をかけて効率的にお金を増やす手段の1つとして今、生命保険の商品を利用する方が非常に増えてきています。
生命保険の商品は銀行預金よりも高い利率で運用を行い、子どもが大学進学する10数年後には積み立てたお金よりもプラスとなって返ってきます。生命保険の商品は銀行預金と違い、途中で引き出すという事ができない側面はありますが、前述したとおり、子どもの進学資金は途中で引き出すものではありませんので、生命保険の商品はニーズに合致した商品となっています。
子どもの進学資金の積み立てを生命保険の商品で行おうと思った場合、大きく分けて2つの種類の商品を検討する事ができます。1つは「学資保険」と呼ばれる商品で、もう1つは「終身保険」と呼ばれる商品です。今回、この学資保険と終身保険の違いは何か、どのような特徴があるのかご紹介していきます。
はじめに、学資保険、終身保険それぞれの商品について見ていきましょう。
学資保険は、生命保険商品の中では「積立商品」に分類されます。生命保険は通常、「保障」と呼ばれるものが付いています。保険の対象の方が亡くなった場合に支払われる死亡保険金や、病気やケガで入院した場合に支払われる入院給付金などがこの保障にあたります。学資保険を含む積立商品は、このような保障を極力なくし、単純に「お金を増やす」という事にポイントを絞った商品となります。定年後の年金代わりとして加入する個人年金保険もこの積立商品に分類されます。これらの積立商品は保障を極力なくしているため、積み立て途中に保険の対象の方が亡くなった場合でも、死亡保険金は支払われず、それまで積み立てたお金が返ってくるだけであったり、病気やケガで入院しても何も給付されるものはありません。
また、学資保険には必ず「満期」と呼ばれる、積み立て期間の終わりが設定されています。満期を迎えるとそれ以降はお金の積み立ては終わり、それまで積み立てたお金に、運用してプラスとなったお金が加算され、積み立てたお金以上のお金を受け取り、この商品は終わりとなります。最後に受け取るお金のことを「満期(学資)金」と呼びます。多くの場合、この満期を子どもが大学進学する少し前(17歳)に設定し、大学入学金の支払いなどに用いられます。
これに対して終身保険は、生命保険商品の中の「死亡保険」に分類されます。死亡保険に分類されるため、終身保険の加入中に保険の対象の方が亡くなった場合、遺族に死亡保険金が支払われます。また、終身保険は加入している間、「解約返戻金」と呼ばれる終身保険を解約した場合に戻ってくるお金が貯まっていきます。この解約返戻金を利用して、子どもの大学進学資金を積み立てるというのが終身保険で積み立てる方法となります。解約返戻金は通常、短期間で解約した場合、積み立てたお金は生命保険会社の中で死亡保険金を支払うためのお金に割り当てられるため、それまで積み立てたお金よりも戻ってくるお金は少なくなってしまいます。しかし、ある程度の期間継続していると、徐々に解約返戻金の金額が増えていき、ある時を境に積み立てた金額よりも解約返戻金の金額の方が多くなるのです。これを利用して、子どもの進学資金を積み立てる事ができるのです。
このように学資保険と終身保険では同じ生命保険会社の商品の中でも少し特徴が異なります。
学資保険と終身保険の違いを一覧にまとめると以下のようになります。
[学資保険と終身保険の特徴]
では、子どもの進学資金の積み立てとして学資保険と終身保険ではどちらの方がお得なのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットから見てみましょう。
[学資保険のメリット・デメリット]
(メリット)
・利率の高い商品の場合、子どもの進学時に戻ってくるお金が終身保険よりも高くなる
・積み立て途中で解約してもそれまで積み立てたお金が戻ってくるだけなので損をしない
(デメリット)
・死亡保険金が付いていないため、万が一の場合に備えて学資保険以外に生命(死亡)保険に入っておく必要がある
学資保険のメリット・デメリットとして以上の事が挙げられるかと思います。学資保険のデメリットとして大きいのは、学資保険の特徴としてお金を積み立てる事に特化しているため、万が一亡くなった場合にも備えることを考えておくと、学資保険とは別に生命(死亡)保険に入っておく必要があります。死亡するリスクは近年では非常に低くはなっていますが、ゼロではありません。世帯主の方が交通事故に遭って亡くなってしまった、がんや心筋梗塞・脳卒中など重い病気を患い亡くなってしまったという家庭もあります。そのような場合に、子どもに大学進学を諦めてもらうか、もしくはどのような場合でも大学進学をさせるか、その想いによって大きく異なると思います。
では次に終身保険のメリット・デメリットを見てみましょう。
[終身保険のメリット・デメリット]
(メリット)
・万が一亡くなった場合は死亡保険金が遺族に支払われる
・満期がないため、子どもの大学進学後も積み立てを続けることができる
(デメリット)
・契約内容によっては子どもの大学進学時に受け取れるお金(解約返戻金)の金額は学資保険よりも少ない場合がある
・途中(短期)で解約した場合はそれまで支払ったお金よりも戻ってくるお金は少なくなる
終身保険のメリット・デメリットとして以上の事が挙げられるかと思います。
終身保険のメリットとして大きいこととして、満期が設定されていないため、子どもの大学進学後もお金を積み立てることができるという事があります。例えば子どもが大学進学しなかった場合、わざわざ積み立てたお金を引き出す必要はなくなります。その場合は、積み立て続けて自分の定年後のお金として運用するという方法がとれます。また、終身保険は部分解約ができるため、子どもの大学進学時に部分解約をして解約返戻金の一部を受け取り、残りをそのまま運用するという方法もとれます。そうする事で、子どもの大学進学資金を貯めつつ、自分自身の定年後のお金を積み立てるという事も出来ます
これらのメリット・デメリットを踏まえた上で子どもの進学資金の積み立てを検討してみてはいかがでしょうか。
HOME » 学資保険 » 学資保険と終身保険の違いとは?プロが分かりやすく解説!
« 三井住友海上あいおい生命の新医療保険エースとは?評判と口コミについて
学資保険の解約返戻金、かんぽ生命を例に解説! »