HOME » 生命保険 » 生命保険は火山の噴火などによる天災での死亡は対象外?
2011年3月11日の東日本大震災では、津波による死亡及び行方不明者の合計が18,000人を超えました。これほどの人が一度に亡くなったり、行方不明になることは天災や戦争以外にはまずあり得ない数字です。
生命保険は死亡保険金の支払いを持って、その役割を終えます。が、どの会社でも免責条項を定めています。ここには「戦争、内乱、紛争、火山の噴火、津波、地震など」の場合も含まれていることが明記されています。
まず、戦争や紛争といったことが原因での死亡ですが、そもそも戦争や紛争状態に出かけることは「自殺行為」と保険会社は解釈します。そもそも、不慮の事故に対して保険金が支払われる、ということを取り決めているからです。そのため、自衛隊員やカーレーサー、スタントマン、航空パイロットなど、一部の職業には保険金の限度額があり、特に自衛隊員が海外にいく場合の保険金は、民間保険会社からはありません。
地震や津波で亡くなる、という危険性は、誰にでも起こるのですが、文言通りに死亡原因を記載してしまえば、保険金は出ないだけで、実際の死亡原因が異なれば保険金は通常取り出るものなのです。
保険会社は「わざわざ噴火が起こりそうな山で行くこと」へのリスクには対処しない、としていますが「予兆がなく、突然噴火したため、噴石に当たり死亡した」という場合は、登山者に落ち度はない(リスク回避のしようがない)と考え、保険金を支払うことにしています。
東日本大震災の場合、保険金支払いは速やかに行われました。これだけの震災は例を見ないのですが、この規模では、契約者がどれだけリスク回避をしても、限度を超えているわけであり、保険会社の論理を超えた条件といえるでしょう。
ただ、生命保険会社に「保険金免責事項」があるのは、天災や戦乱だけではありません。自ら犯罪を犯した故に射殺されたり、飲酒運転によって自ら死亡事故に巻き込まれたり、といった反社会的な原因で死亡事故が起きた場合は、保険金は支払われません。
理由は、保険会社が保険金を出し渋っている、というのではなく、もともと保険金は加入者が払い込んでいる保険料から、捻出されているものだ、という性格に依ります。犯罪の臭いがするような死亡事例に、善意の加入者の保険料が使われることは、間違っているのです。ただ、天災については、その事例を検証して、ケースバイケースで保険金が支払われる仕組みになっています。