HOME » 保険の知識全般 » 大型天災では保険金支払いが滞る?
天災の多くは「台風」「ゲリラ豪雨」が占めています。例年台風は25個から26個程度発生し、日本に接近するものは11個程度ですが、平成25年は14個とここ30年あまりでもワースト3に入る多さとなっています。
台風で自家用車が損傷を受けることがよくあります。近隣から植木鉢が飛んで来て、車体に傷をつけた…あるいは車ごと横転して、天井が凹んでしまった…といった被害。あるいは、豪雨に伴って道が浸水し、車両が水没した…といった被害もよく見受けられます。
こういったケースでは、車両保険に加入しておれば、査定人がチェックをして修理工場で保険適用範囲の修理が行われます。ですが、車両水没の場合は全損扱いとなって車両保険に掛けられている保険金額がそっくり支払われますが、保険金額が小さい場合は免責(自腹で支払う)金額を除いて、保険が下りることになっています。
「台風」「ひょう」「雷」「雪」「竜巻」「洪水」「高潮」などは、車両保険で確実に保障されますが、火山噴火や地震・津波によって生じた損害については、保険金は支払われません。そのため、こうした天災時の車両の全損補償やレッカー代の補償などを特約として別に加入することで、保険金を受け取ることが可能です。
損害保険とは、もともと過去数十年にわたっての災害事象例や保険金支払い状況を見ながら、保険料を設定します。その多くは交通事故が基本になっており、賠償責任の範囲内での保険金の支払いに務めています。自動車の場合は事故や怪我を対象にしており、東日本大震災での津波での流出事故には保険が効かないことと同様、家屋の場合は火災保険と地震保険がセットになってはじめて天災での効力を発揮します。
また、地震保険は実際に支払われるのか?という疑問を持つ人たちがいるのも確かです。実際に2011年の東日本大震災の際、宮城県の自治体には全国から損害保険の調査員が査定に動員されました。自宅の塀が倒れ、家屋にヒビが入った状況はあまりにも件数が多かったため、損保各社は現場の査定のまま保険金を支払っています。結果、赤字になる保険会社もありましたが、保険金の滞りがあったところはありません。
ただ、大型天災も立て続けに起こっているため、各社とも保険料の値上げを発表しています。大型天災では阪神淡路大震災と東日本大震災の場合は、通常は保険金支払いのない事項でも、災害救助法の適用で保険各社が特例で保険金を支払いました。そのため、保険各社は合併などで保険金支払いに備えています。