銀行窓口で販売されている生命保険に苦情が増加しているというニュースがありました。特に問題となっているのは外貨建ての保険です。
マイナス金利で円建ての貯蓄性のある保険が相次いで販売停止や内容の変更を行っていき、注目を集めるようになったのが外貨建て保険です。この保険の何が問題となっているのか、基本的な外貨建て保険の知識をまとめたので、これをキッカケに自分の保険を見直してみて下さい。
【参考記事】
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銀行窓口での生保販売ついて、今年に国民生活センターに寄せられた相談件数が11月末時点で前年同期比25%も増加したそうです。その内容の多くが外貨建て保険にあります。
マイナス金利で国内金利が低下し、円建ての貯蓄性保険が販売停止や内容変更を行い、銀行窓口では、比較的高い利回りで運用できる外貨建て保険を売り込む動きがあります。しかし、この外貨建て保険は実にわかりにくく、表示も不透明な部分が多い商品なのです。
これは円建ての商品と異なり為替リスクがあり、その説明も各社で定義が異なり分かりにくくなっていたり、手数料の開示義務もないため自分の資金からどのくらい手数料が引かれるのかも理解しにくい事があります。
このような問題を受けて金融庁は「保険商品の見える化」を促し、販売ガイドラインを改定する動きがみられています。
外貨建て保険とは、保険料が外貨で運用され、保険料の支払い、保険金の受け取りなどが外貨ベースで行われる保険のことです。
主に米ドル建て、ユーロ建て、豪ドルが建てがあります。
外貨建て保険のメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。
【メリット】
・資産を外貨に分散できる
・受け取り時円安ならプラスに
・保険料が割安
【デメリット】
・受取額が予想しづらい
・受取額時円高ならマイナス
・手数料がかかる
外貨建てには為替リスクがあります。受け取り時、契約時より円安ならプラスに、逆に円高ならマイナスになります。
また円建ても同じですが、支払った保険料の一部は金融機関によって運用されています。海外の金融機関では日本より金利が高い場合があり、運用がしやすく、その分保険料が割安になる傾向があります。
一方で外貨建て保険は、外貨から日本円に両替する際に手数料がかかったり、運用にかかる手数料が高くなる事が多いのが特徴です。
外貨建て保険の特徴を簡単に説明しましたが、外貨建ては、円を外貨に変えたり、外貨で運用という手間のかかる仕組みが加わるため手数料が高い、リスクが分かりにくいとう特徴があります。
日本円より「お得そうだから」と言って契約するのは考えものです。
まずはその商品のメリット、デメリットを理解し、メリットを最大限に活かせるかを考えてみましょう。
どの商品でもデメリットがゼロということはありません。
それを理解した上でデメリットを上回るメリットがあれば、それが自分にあった商品と言えます。
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