HOME » 生命保険 » 医療保険や生命保険の選び方。ポイントを解説します。
多くの人は社会人になると民間の医療保険や生命保険に加入します。また定期型に加入していた場合、更新時に別の保険に加入し直すという人も多いです。しかし医療保険や生命保険には様々な種類のものがあるため、選ぶのが大変です。ついつい人から勧められるままに加入してしまうというケースもあります。今回はそのような人のために、医療保険と生命保険の選び方について、ポイントを解説します。
★医療保険の種類
まずは医療保険から見てみましょう。医療保険には大きく分けて「定期型」と「終身型」があります。定期型は保険期間が5年や10年、15年など一定期間に設定されているものです。一方で終身型は、保険期間が一生涯に設定されているものです。
①定期型のメリット・デメリット
定期型のメリットは、保険料が安いという点です。定期型の医療保険ならば、年齢や条件にもよりますが、安ければ毎月の保険料が1000円前後ということもあります。また一定期間ごとに見直しをしやすいというのも、定期型の特徴です。デメリットは、一定期間ごとに更新しなければならないため、保険料が更新のたびに値上がりしていくというところです。
②終身型のメリット・デメリット
定期型に比べると保険料が割高である点が、終身型のデメリットになります。しかし一生涯医療保障が受けられるという安心感がありますし、保険料は生涯一定ですので、資金計画が立てやすいです。
①タイプの選択
医療保険には、上記のように定期型と終身型という2つのタイプがあります。しかしそれだけでなく、掛け捨て型と貯蓄型というタイプのちがいもあります。掛け捨て型とは、解約したときに返戻金がないもので、支払った保険料は返ってきません。貯蓄型は保険料に積立部分があり、解約したときに返戻金があるものです。一定期間入院などがなければ、10万円お金が受け取れるようなプランもあります。
貯蓄型もお金が返ってくるというメリットはあるのですが、保険料に貯蓄部分がプラスされる分保険料が割高になります。そのため人気なのは掛け捨て型のものです。一般的に若い方や独身者は掛け捨て型の定期医療保険、家族ができて生活が安定し、老後に備えたいという人は掛け捨て型の終身医療保険に加入することが多いです。
全世代を通してもっともおすすめなのが、掛け捨て型の終身医療保険です。掛け捨てのため保険料は割安ですし、若いうちに加入すれば、保険料は安いまま生涯上がらないからです。自分のライフプランや収入のうちどれくらいを保険にかけられるかをよく考えた上で、どのプランにするか決定しましょう。
②必要な契約内容の選択
どのタイプの保険に加入するかを決めたら、次は具体的な保障の内容を決めなければなりません。まずは入院一日当たりの保証額を決定します。保証額は一般的に「5000円」もしくは「1万円」の2パターンになっています。公的医療保険で医療費は3割負担になりますし、さらに高額療養費制度などを利用すれば、実際の医療費負担はかなり安く抑えられます。そのため民間医療保険でカバーするのは、差額ベッド代や入院時の日用品代、また先端医療費などになります。通常は5000円で充分ですが、心配だという人は1万円に設定しましょう。
次に入院一回あたりの保障限度日数を決めます。多くの医療保険では「60日」に設定されていますが、入院が長期にわたる病気に関しては限度日数を増やすことができる保険もあります。長期入院も想定したいという人は、限度日数を長く設定できる保険を選びましょう。これは主契約の部分ですが、さらに特約を付与したいという人は、自分に必要な特約をつけることができる保険を探しましょう。
③保険料を比較
医療保険のタイプ、そして必要な保障内容を決定したら、最後に保険料を比較します。この順番を逆にして、保障内容よりも保険料の安さから保険選びをする人も多くいますが、それでは自分にあった保障を受けることができない可能性があります。保険料の比較は最後に行なうようにしましょう。
★生命保険の種類
生命保険も定期型と終身型のものがあります。医療保険と同じく、定期型は保険期間が一定期間に設定されているもので、終身型は生涯保障が続くものです。
①定期型のメリット・デメリット
定期型の一番のメリットは、医療保険と同じく保険料が安いという点です。特に若い人の場合は、死亡する可能性も中年や高齢者に比べれば低いですし、独身ならばそれほど高い保障は必要ありません。そのため定期保険で充分です。しかし定期型は保険料が掛け捨てになるというデメリットがあります。保険料が安くても、死亡しなければそのお金は返ってきません。
②終身型のメリット・デメリット
定期保険とちがって、終身保険は貯蓄型の保険になっています。保障が生涯続くため、いつかはかならず保険金が支払われるからです。また死亡しなくても、老後資金として途中解約して使うこともできます。デメリットとしては、貯蓄型の保険ですので、掛け捨てに比べれば保険料がずっと高くなるという点です。
①必要な保障額を決定
生命保険は万が一のときのために、後に残す家族などのために死亡保障を受け取ることができる保険です。そのため、契約者の性別、年齢、家族構成、収入、貯蓄額などによって、必要な保障額は大きく変わってきます。
独身者の場合は、家族にお金を残す必要がないため、自分の葬儀代の300万円程度を生命保険で準備すれば充分です。また妻がいる場合でも、妻が働いているならば死亡保障はそれほどたくさんはいりません。しかし妻が専業主婦である場合や、子どもがいる場合は、当分の生活費や教育費として充分なお金を準備する必要があります。これは数千万円単位になるでしょう。
また子どもがいてももうすぐ独立する年齢である場合は、妻の生活費+子どもが独立するまでの子どもの生活費、教育費をカバーできるだけのお金を準備します。公的年金制度から遺族年金も支払われますので、遺族年金やこれまでの貯蓄でカバーできない分だけを生命保険でカバーします。
②保険のタイプを決定
保障額を決めたら、定期保険にするか終身保険にするかを決めます。独身者やこれから家族構成が変化する若い方ならば、見直しがしやすく割安な定期保険が向いています。一方で、養う家族がいるような方で、1000万円を超えるような死亡保障を準備したいならば、全てを終身保険で準備するのは家計の負担が大きくなってしまいます。そのため、一部を終身保険で貯蓄し、残りを定期保険で準備する、というようなプランを作成するといいでしょう。具体的にシミュレーションしてみます。
・契約者:30歳男性
・家族構成:妻と子ども二人
・必要保障額:2500万円
・保険料の払い込み:60歳まで
この条件で2500万円を全て終身保険で準備しようとすれば、毎月支払う保険料も多額になります。ある保険会社のプランでは、毎月「4万7425円」もの保険料を30年間支払い続けなければなりません。これはとても大きな負担です。
そこで定期保険と終身保険を組み合わせてプランを作成してみます。例えば死亡保障2000万円を10年の定期保険で、500万円を終身保険とすると、ある保険会社のプランでは定期保険の保険料が「2280円」、終身保険が「9485円」となります。毎月の保険料の合計は「1万1765円」です。子どもが独立するまでの10年間は、万が一のことがあったときに2500万円の死亡保障を受け取ることができ、子どもが独立したあとは定期保険は解約して、貯蓄もかねて終身保険のみにすることができて、効率的です。
③保険料を比較
医療保険と同じく、生命保険も最後に保険料の比較を行ないます。複数の保険に加入する場合、ひとつひとつの保険料を計算するのはめんどうかもしれませんが、最適な組み合わせを見つけるためにも、最初にしっかり計算して選びましょう。
以上が医療保険、生命保険の選び方についてのポイントでした。このように順を追って決めていくことで、自分に最適な保険を選択することができます。自分にはどのような保険が必要なのか、現在の保険は不適切ではないか、よく考えて加入しましょう。