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病気やケガで入院・手術をした時に給付金がもらえる「入院保険」
入院保険とは、正式には「医療保険」と呼ばれ、病気やケガで入院したときには「入院給付金」と呼ばれる、1日あたりの入院費に対する費用の補てん、また手術をしたときに「手術給付金」と呼ばれる手術費に対する費用の補てんをしてくれる保険です。入院保険は、「第三分野商品」と呼ばれ、今では生命保険会社だけでなく、損害保険会社でも入院保険を提供しており、中でも生命保険会社ではほとんどの会社が取り扱っているほど保険会社にとって主軸の保険商品となっています。
そのため、世の中には非常に多くの入院保険が販売されていますが、これらを比較検討しようと思った場合、どのような観点で選べば良いのか分からないという方も多いのではないかと思います。
今回は、この入院保険を比較する時のポイントについて、いくつかの観点からご紹介したいと思います。
まず1つ目の比較ポイントですが、上述の「入院給付金」は、入院したら1日5,000円もらえる、1日10,000円もらえるなど、比較する箇所として分かりやすいですが、実は比較することが難しいのが、後者でご紹介した「手術給付金」です。手術給付金は一般的に、入院給付金の金額に連動して、倍率を掛けて設定されることが多いのですが、手術の種類によって給付倍率が変わるものや、手術の種類に関わらず給付倍率が一定のものとが存在します。
具体的にご説明すると、以下のように記載されているのです。
上の図のA社の場合、手術給付金は手術の種類に関わらず給付倍率は10倍となっており、手術を受けると一律で5万円が受け取れます。これに対し、B社の場合では手術の種類に応じて給付倍率が5倍・10倍・20倍と分かれており、それぞれ2.5万円、5万円、10万円といったように、受け取れる手術給付金の金額が異なります。もっとも給付倍率が高い20倍はどのような手術が対象となるかと言いますと、たとえば四肢(手足)を切断した時の手術の場合や、脳梗塞・心筋梗塞で開頭・開腹手術をした場合など、非常に重度の手術を行った場合はもっとも高い給付倍率となり、通常の病気の手術についてはほとんどが給付倍率5倍の2.5万円となっています。
比較ポイントの1つ目として、手術給付金はどのようなときにどれだけ受け取れるのかをきちんと知っておくことが大切です。
比較のポイントの2つ目は、「保険料払込期間・保障期間の違いによる保険料の違い」についてです。
近年、インターネットの普及により生命保険の関する情報も非常に多くなってきましたが、複数の生命保険会社の商品が並んでいる中で、どうしても比較の基準として「保険料の安さ」を強調している事が少なくありません。
入院保険でA社では「毎月の保険料は3,000円」、B社では「毎月の保険料は1,000円」と書かれていれば、保険料が安いB社の方が魅力的に見えてしまいます。しかし、その裏では、A社の入院保険とB社の入院保険とでは、根本的な商品内容が違っているという事が少なくありません。
それが「保険料払込期間」と「保障期間」です。保険料払込期間とは、その入院保険の保障を持つために保険料を支払う期間を指します。対して保障期間とは、その入院保険はいつまで保障してくれるかという保障の期間を指します。
一般的に、保障される期間が短いほど保険料は安くなり、長いほど保険料は高くなります。また、保険料払込期間についても、同じ総額の保険料を10年で払う場合と30年で払う場合とでは月々の保険料の支払いは長期になるほど安くなっていきます。
今現在世の中にある入院保険を大きく分類すると3つの種類に分類することができ、その種類ごとに保険料の安さは異なります。一覧にすると以下のようになります。
上の表に医療保険A、B、Cという3種類の医療保険を記載しました。
医療保険Aは保障期間が10年間、保険料払込期間も10年間となっています。契約してから10年間の間だけ入院・手術をした場合は給付金をもらうことができますが、10年を過ぎてしまうとこの保険は終了となり、その後に入院・手術をしても給付金をもらうことが出来ません。期間が決まっているため、3つの入院保険の中でもっとも保険料が安くなっています。
次に医療保険Bですが、こちらは医療保険Aと違い、保障期間は一生涯となっています。つまり、契約している間は亡くなるまでの一生涯において、入院・手術をした場合に給付金を受け取ることができます。保障される期間が医療保険Aよりも長くなるため、保険料はAよりも高くなります。また医療保険Bは、保険料払込期間も一生涯となっています。これはつまり、この医療保険を続けている間は一生涯にわたって保険料を支払うということを指しています。保険料の支払いをやめてしまうと、この医療保険は失効(無効)となってしまい、入院・手術をしても給付金を受け取ることができなくなってしまいます。
最後に医療保険Cですが、こちらも医療保険Bと同じように、保障期間は一生涯となっています。しかし、医療保険Bとの違いは、保険料払込期間が60歳までといったように払込期間が設定されています。例えば60歳までとした場合、契約してから60歳まで支払えばこの医療保険を持つのに必要な保険料は全て払い終わり、60歳以降は1円も保険料を払わなくても入院・手術をした場合には給付金を受け取ることができます。
医療保険Bと比べて、保険料を短期間で支払うため、毎月の保険料はもっとも高くなります。
このように、保険料の安さの裏には保障期間・保険料払込期間の違いがあります。一定期間だけ医療保険があれば良いのか、一生涯保険料を支払うのと、60歳までなど一定期間で保険料を払い終わらせるのが良いかなどによって本当に自分に合った入院保険を選ぶことが大切です。決して保険料が安いというだけで内容を確認せず選んでしまうのは危険なのです。
比較のポイントの3つ目は、入院保険の基本的な保障である入院給付金、手術給付金を確認したあとに、オプションとして付けられる特約には何があるかを比較することです。
現在の入院保険では、生命保険会社によって付けることができる特約(オプション)はそれぞれ大きく異なります。A社では付けることができる特約でも、B社では付けられないといった事も多くあります。
現在ある医療保険の特約にはどのようなものがあるかを一部ご紹介します。
[現在の入院保険の主な特約(オプション)]
・通院特約(退院後通院した場合に給付金が受け取れる特約)
・三大疾病一時金特約(がん・心筋梗塞・脳卒中となった場合に一時金が受け取れる特約)
・先進医療特約(先進医療を用いた治療をした場合、技術料に応じた費用が補てんされる特約)
・抗がん剤治療特約(抗がん剤を用いた治療を行った場合に、給付金が受け取れる特約)
・放射線治療特約(放射線を用いた治療を行った場合に、給付金が受け取れる特約)
主にこのような特約があるのですが、それぞれの生命保険会社の入院保険ではこの特約を提供しているものと提供していないものとがあります。
入院したときに受け取れる「入院給付金」と手術をしたときに受け取れる「手術給付金」以外に、どのような特約(オプション)を付けておくと安心するかによって、その特約(オプション)が提供されている入院保険を選ぶと良いでしょう。