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個人年金保険の税金計算方法と控除や一括受け取りのデメリットなど

個人年金保険は受取時に課税され一定額の税金を支払う必要があります。しかし、この納税額はいくつかの節税方法を利用することで、少なくすることができます。今回は個人年金の納税額の計算方法と、納税額を抑える方法について、ご紹介しましょう。

★個人年金の受取方法は2つある
個人年金保険と言えば、その名の通り年金形式で積立金を受けとると考える人が多いでしょう。例えば年金の受取期間を10年間に設定していれば、10年間に渡って毎月年金を受けとる、などの形です。しかし個人年金は積立金を一括で受けとることもできます。一括受取を選択すれば、満期には積み立てたお金をすべて一度に受けとることができるのです。たいていの保険では、どちらの方法で受けとるか選択することができますが、多くの人は年金形式での受取を選択します。なぜでしょうか?

年金形式での受取にはいくつかのメリットがあります。1つは受けとる額の総額が、年金形式の方が大きくなるというものです。個人年金とは、積み立てた保険料を保険会社が運用して増額し、その分が上乗せされて返ってくる保険です。
そのため運用期間が長いほど受けとることができる年金額は多くなっていきます。年金形式での受取と一括受取を比較すると、一括受取は満期に全額支払われてしまうのに対して、年金受取は満期以降も支払いが続きます。支払い開始以降も運用期間があるため、受けとることができる年金額のトータルは年金形式で受けとる方が大きくなるのです。

また年金形式での受取には、計画的に積立金を使うことができるというメリットもあります。毎月決まった額が振り込まれるため、使いすぎて後になって苦しくなるというようなことはありません。このように説明すると、年金形式での受けとる方がずっといいように感じられるかもしれません。しかし実は一括受取にも大きなメリットがあるのです。それは「一括受取の方が納税額が少なくなる」ということです。

個人年金保険の税額計算

個人年金は満期になると積立金が戻ってきます。この積立金も収入とみなされるため、当然課税対象となります。しかし、一括受取と年金受取とでは課税方法が異なり、一括では「一時所得」、年金受取では「雑所得」として課税されます。これらは以下のような計算式で納税額が算出されます。

一時所得=受取金額ー払込保険料ー保険料控除50万円
雑所得=受取年金額ー{払込保険料×(受取年金額÷受取年金総額)}
 

計算式だけでは分かりにくいので、具体的にシミュレーションしてみましょう。

【契約者・被保険者】35歳男性
【保険料払込期間】65歳まで
【年金受取期間】65歳から10年間、もしくは65歳時点で一括受取
【保険料】毎月1万円
【基本年金額】45万円
 

上記の条件で一括受取の場合は「410万円」、年金受取の場合の総額を「450万円」と仮定しましょう。

一括受取(一時所得):受取金額410万円ー払込保険料360万円ー保険料控除50万円=課税所得0円
年金受取(雑所得):受取年金額45万円ー{払込保険料360万円×(受取年金額45万円÷450万円)=課税所得9万円

という計算結果が得られます。つまり年金受取ならば9万円に所得税と住民税の税率がかけられますが、一括受取の場合は所得がゼロになるため、課税されません。計算の結果ゼロ以下になる場合ありますが、そのケースでももちろん納税額はゼロになります。所得税・住民税の税率を10%とすると一時所得の場合はゼロ円、雑所得の場合は9万円×10%で9000円となります。この9000円の分が一括受取の方がお得になります。そして、それは年金の受取額が大きくなるほど、大きな差になります。その税額の差の分だけ、お得になるのです。

一括受け取りにメリットがあるのかはケースバイケース

一括受取方式では納税額が少なくできるということを解説しました。実際に個人年金に加入するときもこのような説明を受けることがあるかもしれません。しかし、実は一括受取にメリットがないケースもあります。例えば、上記の例では課税所得が9万円ということになっていました。もし一定の条件に当てはまれば、この9万円には所得税がかかりません。なぜでしょうか?それは課税所得が20万円以下ならば、確定申告をする必要がないからです。

個人年金保険の場合は、ほとんどの人は年金受取開始時、会社を退職していると思います。しかし、引退後に自分で副業程度で仕事をはじめたり、不動産経営を行なっている場合、そちらでの所得が発生します。このような個人事業を行なっており、その課税所得が20万円以上あれば確定申告する必要があります。

確定申告を行なう場合は、個人年金にも課税されます。しかし公的年金受給者で公的年金の受給額が年間400万円以下の方の場合でかつ、個人年金の課税所得が年間20万円以下の場合、確定申告を行なう必要がありません。まとめると以下の条件の方は確定申告の必要がなく、よって個人年金の分の所得税・住民税を支払う必要がなくなるのです。

・公的年金受給者で公的年金の年収が400万円以下
・副業などで年間所得が20万円以下
・個人年金保険の年間の課税所得が20万円以下
 

一括受取のメリットは納税額を少なくすることができることだと説明しましたが、この条件に当てはまるならば、年金形式で受けとっても納税する必要がありません。そのため一括受取のメリットはありません。年金受取と一括受取で納税額が変わるのは、個人年金保険の年金形式での課税所得が年間20万円を超える場合です。つまり、かなり大きな年金を受けとる設定にしている場合は、一括の方がお得になりますが、そうでなければ年金形式の方がお得になるケースが多いのです。このように一括受取がお得か年金受取がお得か、という問題はケースバイケースと言えるのです。

個人年金保険の受け取り、最適なプランニングはどうなる?

いろいろな情報が出てきたのでここで整理しましょう。「確定申告をする必要がない場合」は、年金受取の方がトータルでもらう年金額が大きくなるため、お得になります。しかし「確定申告する必要がある場合」は、受けとる年金額の総額は小さくなりますが、納税額が小さくなるという面で、お得になります。そして確定申告は、公的年金受給者ならば「公的年金の年収が400万円以下」でかつ「個人年金の課税所得が年間20万円以下」は必要がなく、このどちらかの条件に当てはまらない場合は申告が必要になり、その分だけ納税しなければならなくなるということです。

ここまで個人年金保険の、年金受取時の節税方法について解説してきました。しかし、節税できるのは受取時だけではありません。保険料の支払い時にも節税できるポイントがあります。それが「個人年金保険料控除」です。これは1年間に支払う個人年金の保険料の一部を、控除として所得から差し引き、その分の所得税・住民税の納税額を少なくすることができるというものです。ただし保険料は全額が控除できるわけではなく、以下のような計算式があります。

【所得税】
・1年間の払込保険料の総額が〜2万円:支払保険料の全額が控除
・1年間の払込保険料の総額が2万1円〜4万円:支払保険料×2分の1+1万円
・1年間の払込保険料の総額が4万1円〜8万円:支払保険料×4分の1+2万円
・1年間の払込保険料の総額が8万1円〜:一律4万円

【住民税】
・1年間の払込保険料の総額が〜1万2000円:支払保険料の全額が控除
・1年間の払込保険料の総額が1万2001円〜3万2000円:支払保険料×2分の1+6000円
・1年間の払込保険料の総額が3万2001円〜5万6000円:支払保険料×4分の1+1万4000円
・1年間の払込保険料の総額が5万6001円〜:一律2万8000円

支払った保険料の一部もしくは全額を所得から差し引くことができるため、これも積み重なると大きな節税になります。保険料支払い時と年金受取時の節税を組み合わせることで、合理的に保険を使うことができるのです。

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