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住民税にも影響する?個人年金保険料控除の要件とは?

毎年年末に申告する生命保険料控除
毎年10月末頃から11月初旬にかけて、会社から用紙が配られ、指示されるままに生命保険に加入している方は生命保険会社から送られてくる紙を貼付け、生命保険に加入していない方は必要箇所だけを記入・提出する事を経験している方も多いのではないだろうか。また、自営業の方などは2月中旬から3月中旬までの間に税務署へ確定申告を行い、その確定申告の中で現在加入している生命保険を記載している方もいるのではないだろうか。

会社から配られた用紙を提出した方は、年末調整により12月の給与の時にいくらかお金が返ってきたり、確定申告をした方は確定申告後、1ヶ月〜2ヶ月後に還付金が返ってきたりしていると思う。
これらはすべて、「生命保険料控除」と言い、生命保険会社の商品に加入していると、生命保険会社に支払っている保険料をその年の所得から差し引くことができ、税金が安くなるというものである。
この生命保険料控除は大きく「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの枠に分かれており、それぞれにおいて税金を安くする事ができるのである。

この生命保険料控除は平成24年に改訂され、現在は下の図の右側が適用されている。

この図にもあるように、生命保険料控除を利用する事によって安くすることができる税金は2つあり、「所得税」と「住民税」である。
それではこの「所得税」と「住民税」が実際にどれくらい安くなるのか見ていきたいと思う。

年収によって返ってくる金額が異なる「所得税」と年収に関わらず返ってくる金額が一定の「住民税」

生命保険料控除により所得税、住民税のそれぞれがいくら返ってくるかを知るためにはまず、年収に対して所得税、住民税がどれだけかかっているかをしることが大事である。
まずはじめに所得税であるが、これはいわゆる「累進課税制度」をとっており、年収が増えれば増えるほど、税率が高くなっていくという形をとっている。
1年間の年収に対して、所得から差し引くことができる諸々の控除を引いた「課税所得」に応じて税率が決まるのだが、現在の所得税課税の税率表は以下の通りとなる。

[所得税 税率表]

課税所得300万円の方は所得税の税率は10%、500万円の方は20%、700万円の方は23%、1,000万円の方は33%というように、課税所得(年収)が高い人ほど所得税を多く支払っていることが分かる。
これに対し、生命保険料控除は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれにおいて、各4万円ずつ課税所得から差し引くことができるというものである。3つすべての控除を利用した場合、最大12万円まで課税所得を差し引くことができ、所得税を安くできるというのである。
先ほどの年収300万円、500万円、700万円、1,000万円の4つの例をもとに、生命保険料控除を最大限利用した場合、いくらの所得税が戻ってくるのかを見てみよう。

年収300万円の場合・・・12,000円(120,000円×10%)
年収500万円の場合・・・24,000円(120,000円×20%)
年収700万円の場合・・・27,600円(120,000円×23%)
年収1,000万円の場合・・・39,600円(120,000円×33%)
 

生命保険に加入すると、年末にこれだけの所得税が返ってくるのである。

では次に、住民税について見てみよう。
住民税の税率は、実は各自治体によって異なっており、住民税が安い地域と住民税が高い地域とがあるのである。多くの場合、市民税:6%、県民税:4%としている所がもっとも多く、この税率は年収の多い少ないによって変動せず、課税所得に対して一律でかかるというのが住民税の特徴である。

また、生命保険料控除における住民税の控除は、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれにおいて最大2.8万円の控除を受けることができるが、全てを利用した場合、最大7万円までが控除限度額となっている。

「住民税は年収に関わらず一律10%の税率がかかる」「生命保険料控除では住民税は最大7万円控除を受けられる」という2点をもとに、先ほどの年収300万円、500万円、700万円、1,000万円の4つの例をもとに、いくらの住民税が戻ってくるのかを見てみよう。

年収300万円の場合・・・7,000円(70,000円×10%)
年収500万円の場合・・・7,000円(70,000円×10%)
年収700万円の場合・・・7,000円(70,000円×10%)
年収1,000万円の場合・・・7,000円(70,000円×10%)
 

このように、年収に関わらず、生命保険料控除により戻ってくる住民税の金額は一定であることが分かる。
ちなみに余談であるが、所得税の場合は年末調整時や確定申告時に「還付金」という形で実際にお金が返ってくるが、住民税の場合、年末調整や確定申告した次の年の住民税が優遇されるというもので、本来支払うべき住民税よりも7,000円安くなっているというものであるのでご注意いただきたい。

個人年金保険料控除を受けるための要件とは?

ここまで、生命保険料控除によって所得税・住民税の優遇が受けられるという話をしてきた。また、生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの枠があるという事を紹介してきた。
ここで、それぞれの控除について説明していこうと思う。
一般生命保険料控除とは、その名の通り、一般的な生命保険に加入した場合に受けられる控除であり、一般的な生命保険とは、被保険者の方が亡くなった場合に死亡保険金が受け取れる、死亡保険といわれる保険に加入した場合に利用することができる。
次に、介護医療保険料控除であるが、これもその名の通り、介護状態となった場合に保険金が受け取れる介護保険や、病気やケガで入院した場合に入院給付金が受け取れる医療保険に加入した場合に利用することができる。

最後に個人年金保険料控除であるが、これもその名の通り、生命保険会社が提供している個人年金保険に加入した場合に利用することができる。
このように、それぞれの生命保険に加入すればそれぞれの生命保険料控除を利用することができるのだが、ここで1点、注意しなければいけないことがある。
実は、個人年金保険料控除を利用するためには、ある一定の基準を満たした個人年金保険に加入した場合のみであるため、ここについて触れておきたい。

個人年金保険料控除を受けるために必要な個人年金保険の要件とは以下のとおりである。

[個人年金保険料控除(税制適格特約適用)の要件]
・個人年金保険の特約に「税制適格特約」を付けていること
・年金受取人が契約者または契約者の配偶者であること
・年金受取人が被保険者と同一人である
・保険料払込期間が10年以上である
・年金開始年齢が60歳以上かつ年金受取期間が10年以上であること

それぞれについて詳しく解説していこう。
まずはじめに、「個人年金保険料控除」を利用するためには、個人年金保険加入時に、「税制適格特約」というオプション契約に加入していなければならない。これを付けていないと、他の要件を満たしていても個人年金保険料控除を利用することはできないので注意が必要である。
次に、年金受取人が契約者または契約者の配偶者であることとあるが、基本的に個人年金は、自分自身の老後の資産形成のために加入するものであり、例えば子どもに渡すためなど相続や贈与が関わる場合は個人年金保険料控除の対象外となってしまう。これと同様に、年金受取人が被保険者と同一人であるという制約もある。

最後にもっとも注意して頂きたいこととして、保険料払込期間が10年以上であること、年金開始年齢が60歳以上かつ年金受取期間が10年以上であるという制約を覚えておいて頂きたい。個人年金保険の中では、一括で保険料を支払うものや、年金受取開始が50歳や55歳となっているもの、年金受取期間が5年となっている商品があるが、これらはすべて個人年金保険料控除の対象外となってしまうので注意しなければならない。
これらの要件をきちんと把握し、最大限、所得税・住民税の優遇を受けることは非常に大切なことである。

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