まとまったお金を預けて運用する「一時払い個人年金保険」
定年退職における退職金やご両親からの相続を受けた場合など、まとまったお金が手元に入ってきた時、あなたはそのお金をどうしますか?銀行預金でそのまま置いておく方法も一つですが、どこかに預けて運用するのも一つの方法です。銀行に限らず、証券会社や生命保険会社では、このようなまとまったお金を持っている方を対象に、様々な商品を提供しています。
その中の一つの商品として、生命保険会社が提供している「一時払い個人年金保険」というものがあります。通常、生命保険会社が提供している個人年金保険は、若い時から60歳までや65歳までなど数十年間積み立て続け、その年齢に到達した時に5年間や10年間の間、毎年一定額の年金が受け取れるというものが主流です。このような個人年金保険の種類の一つとして、最近では積み立てるお金を一括で払い込む「一時払い」による個人年金保険商品が増えてきました。今回、この一時払い個人年金保険の商品内容やもっとも利率が高いランキングについてご紹介したいと思います。
まずはじめに一時払い個人年金保険の商品内容について見ていきましょう。
一時払い個人年金保険はその名の通り、保険料の支払いは一時払いによる「1回のみ」となります。契約時に個人年金積立金を一括で振込みます。振り込まれた個人年金積立金は、すぐにプラスになって個人年金として受け取れるわけではありません。通常、「据置期間」と呼ばれる、生命保険会社に預けて運用しておく期間があります。
5年〜10年程度、最長のものでは20年間預けておいて運用するという商品もあります。その据置期間中に生命保険会社または契約者自身が運用を行い、据置期間が終わるときに運用益を加算して5年や10年間の期間、一定額を年金形式で受け取るというものです。生命保険会社が運用するタイプの商品の場合、契約時にあらかじめ、何年後にいくらプラスとなって受け取れるという事が分かっていますが、契約者自身が運用するタイプの商品の場合は、運用の成果によってプラスになる金額が変動したり、場合によっては契約時に納めた一時払いの個人年金積立金の金額よりも減ってしまう場合があります。
このような一時払い個人年金保険の商品内容をイメージ図にすると以下のようになります。
[一時払い個人年金保険イメージ図]
一時払い個人年金保険の特徴の一つとして、据置期間中に解約するという方法も取れますが、短期間で解約した場合、生命保険会社が運用するためにかかる費用がかかっているため、契約時に振り込んだ一時払い積立金の金額よりも返ってくる金額が少ない場合があります。また、据置期間終了後に5年間や10年間にわたって毎年年金形式で受け取るとお伝えしましたが、希望すれば据置期間終了後に一括で年金を受け取るという方法もとることができます。ただし、据置期間終了後に一括で年金を受け取る場合と5年間や10年間など年金形式で受け取る場合とでは、年金形式で受け取る場合の方が受け取れる金額の総額が大きくなっていますので、一括で受け取りたい場合は金額が少なくなってしまうことも了承した上で受け取る必要があります。
また、一時払い個人年金保険の種類の中で、生命保険会社が運用するタイプの商品と契約者自身が運用するタイプの商品があるとお伝えしましたが、契約者自身が運用するタイプの商品は「変額個人年金保険」と呼ばれ、「日本株式」や「日本債券」、「海外株式」や「海外債券」など生命保険会社が定める数種類のラインナップの中から、契約者自身でどこにどれだけの割合を配分するかを指定します。日本経済が好調の場合は「日本株式」に多くの配分を割り当てたり、逆に低迷している時は安定運用である「日本債券」への配分を多くしたりと月に1回、配分先を変更することができます。その配分の運用の成果に応じて、据置間終了時に受け取れる年金額が決まります。
もう一つの生命保険会社が運用するタイプの商品の場合、生命保険会社ごとや個人年金保険の種類ごとに運用商品が異なる場合があります。一般的なものは「円建て」による運用で、生命保険会社側にて株式や債券などで運用しますが、中には「外貨建て」と呼ばれる米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨を中心に運用するものもあります。外貨建て商品の場合、運用は生命保険会社が行いますが、運用の成果は不確定となっており、その時々の経済情勢によって受け取れる年金額が変動しますが、多くの商品は契約時に振り込んだ一時払い積立金を最低保証しているため、リスクなく運用することが出来るというメリットもあります。
では、このような様々な商品がある一時払い個人年金保険ですが、実際どこの生命保険会社の一時払い個人年金保険がもっとも利率が良いのでしょうか。
利率の高い一時払い個人年金保険ランキングをご紹介しようと思ったのですが、どこの生命保険会社の商品を調べても、何年後にどれだけ受け取ることができ、利率がどれくらいなのかは記載されていませんでした。しかし、その中で調べていった所、個別の生命保険会社の商品ごとではありませんが、商品種類ごとに利率の違いが大きく出ていることが分かりましたのでこちらをご紹介したいと思います。
まずはじめに生命保険会社が「円建て」で運用するタイプの一時払い個人年金保険ですが、これは他の種類の一時払い個人年金保険と比較してもっとも利率が低いという事が分かりました。理由としては、「日本円」や「日本株式」「日本債券」など日本国内の商品のみで運用するため、大きな利益が出ないのです。日本国債ではバブル期と呼ばれた1990年始めから比較しても、現在は低金利時代と言われています。そのような商品で運用するのですから、5年間や10年間などの据置期間を設けてもあまり利益が期待できないのです。続いては生命保険会社が指定する数種類のラインナップの中から契約者自身が配分を指定するタイプの「変額個人年金保険」が利率があまり高くないようです。理由としては、やはり運用の素人である個人が運用先を指定しても、本来利益が見込める運用先に適切に運用する事が出来ず、機会損失を起こしてしまい、予想ほどの利益が出なかったというのが現状のようです。
「円建て」個人年金保険と比較すると利益額は大きい場合もありますが、元本を割り込むリスクもありますので、運用先として変額個人年金を利用する場合は、きちんと毎月運用成果を確認する事を習慣づける必要があります。
そして、もっとも利率の良いと評判の一時払い個人年金保険は、「外貨建て」による生命保険会社が運用する一時払い個人年金保険でした。理由として、やはり「外貨」という為替差益が利用できるという点、また中には「外貨建て」という名前ではありますが、内容を見ると海外株式や海外債券なども織り交ぜて運用を行っている点により、もっとも大きな利益が見込めるという評判がありました。
外貨建てによる一時払い個人年金保険と取り扱っている生命保険会社は、「アクサ生命保険」「ジブラルタ生命保険」「メットライフ生命保険」などが取り扱っておりますので、ご興味がありましたら一度ホームページを検索いただいたり、資料請求してみると良いでしょう。
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