老後資金の貯蓄には個人年金保険への加入が一般的です。数ある個人年金保険の中でも人気商品の一つが、住友生命の個人年金の商品です。今回は、住友生命の個人年金である「たのしみワンダフル」「たのしみ未来」について、解説しましょう。
★「たのしみ未来」の保障内容
住友生命の個人年金保険である「たのしい未来」は、保険料払込期間中の死亡保障を抑えることで、年金額を大きくしているのが特徴の保険です。返戻率の高さが売りです。また子供の教育資金の準備をする学資保険として使うことができる「たのしみ未来<学資積立プラン>」も存在します。どちらも自分のライフプランに合わせて自由に保険料払込期間や据え置き期間を設定することができます。たのしみ未来には以下のような特徴があります。
特徴①商品設計が自由
たのしみ未来は商品設計が自由であるという特徴があります。自分のライフプランに合わせて設計することができます。たとえば保険料払込期間や据え置き期間を自由に決めることができ、保険料を前納することもできます。個人年金は大きなライフイベント上必要になる資金の準備や、老後資金の準備のために加入するものです。そのため保険料払込期間は、いつお金を使うのか、どのくらいのペースで貯蓄する必要があるのか、など利用者のニーズによって大きく異なります。たのしみ未来のように設計の自由度が高いものは、無駄のないプランニングに最適なのです。
特徴②年金は円建てで確定
基本年金額、年金原資は契約時の円建てで確定します。
特徴③告知や医師の診査は不要
たのしみ未来は、医療保険や生命保険とは異なりますので、契約時に告知や医師の診査は必要ありません。加入時の手続きは簡単です。
特徴④保険料据置期間で返戻率を高めることができる
たのしみ未来には保険料据置期間があります。個人年金は支払った保険料・年金原資を保険会社が運用して増額し、それを満期になったら年金として支払う仕組みになっています。そのため据え置き期間が長いほど運用期間が長くなり、年金原資よりも支払われる年金の総額が大きくなっていきます。保険料据置期間を長く設定すれば、それだけお得になるのです。老後資金は使うまでに時間があくことが多いと思いますので、空白期間をうまく使いことができるのが、たのしみ未来の特徴の1つです。
特徴⑤解約返戻金が少ない
たのしみ未来は返戻率の高さから人気商品となっていますが、返戻率の高さは保険料払込期間中の解約返戻金を抑えることで実現しています。返戻率が高くなるかわりに、途中解約すると既払込保険料の総額よりも少ない額しか戻ってきません。満期まで確実に貯蓄することができる計画を立てた上で、契約するようにしましょう。
「たのしみ未来」は個人年金ですが、その学資保険バージョンとして「たのしみ未来<学資積立プラン>」があります。学資積立プランは、たのしみ未来の通常のプランと同じ仕組みですが、異なるのは年金の支払い方法です。学資積立プランでは支払いは5年確定年金となっており、初年度に倍額支払われる仕組みになっています。つまり18歳満期ならば18歳になる年は倍額の学資金が支払われ、大学の入学金・授業料などにあてることができ、その後は大学の授業料や生活資金として使うことができます。
★「たのしみ未来」の加入例
たのしみ未来は返戻率の高さが売りと言われていますが、実際にはどの程度になるのでしょうか。具体的にシミュレーションしてみましょう。
【契約者】30歳男性
【保険料払込期間】30歳〜40歳までの10年間
【据置期間】15年
【年金支払開始年齢】55歳
【払込保険料総額】360万円
【年金受取総額】454万5000円
上記の条件では、返戻率は「126.2%」となります。個人年金保険の返戻率は、商品によりますが多くは105%〜110%程度のものが多いです。しかしたのしみ未来のこの商品では、126.2%という高返戻率を実現しています。これは他の保険会社の商品と比べても非常に高い水準です。高返戻率を実現できているのは、据置期間があるからです。この条件では保険料払込期間が10年という短期間で、据置期間を15年と長く設定しています。そのため毎月支払う保険料は高くなってしまいます。お金に余裕がある方におすすめの加入プランです。たとえば30歳で加入し保険料払込期間を60歳までに設定し、60歳から75歳までの15年間据置期間を設定すれば、返戻率は約140%と非常に高くなります。かなり利用範囲の限定された加入方法ではありますが、効率性にこだわるならばこのようなプランも可能です。
次に学資保険として利用できる学資積立プランの加入例をシミュレーションしてみましょう。
【契約者】0歳男性
【保険料払込期間】10年間
【据置期間】8年間
【年金支払開始年齢】18歳満期
【払込保険料総額】360万円
【年金受取総額】約410万円
上記の条件では、返戻率は「113.8%」と高くなります。学資保険は個人年金よりも返戻率は低くなる傾向にあり、たのしみ未来に関してもそれは同じです。しかしそれでもこの返戻率は、他の学資保険と比べてもトップクラスに高いです。学資積立プランも通常プランと比べて見劣りしないほど魅力的と言えるでしょう。
住友生命の販売する個人年金には、たのしみ未来の他にたのしみワンダフルもあります。たのしみ未来は金融機関取扱商品ですが、たのしみワンダフルはネットからの加入申し込みが可能であるという点で異なります。たのしみワンダフルはどのような商品なのでしょうか。
実際の保障内容などの点では、たのしみ未来とたのしみワンダフルは大きな違いはありません。たのしみワンダフルの契約可能年齢は0歳〜75歳で、保険料を払い込んだ後、保険料据置期間をおくことができます。据置期間をおくことで返戻率を高くすることができます。
たのしみワンダフルの加入例を見てみましょう。
【契約者】30歳男性
【保険料払込期間】30歳〜50歳まで
【年金受取開始期間】65歳〜75歳まで10年間
【払込保険料総額】360万円
【年金受取総額】471万円
以上のような条件ならば、返戻率は130.8%と非常に高くなります。保険料の据置期間を15年と長くとっているために可能になっているのですが、これもたのしみ未来に匹敵する高返戻率です。他の個人年金ではここまでの高返戻率は少なく、個人年金の返戻率としてはトップクラスです。個人年金に加入することを検討している方は、たのしみ未来、もしくはたのしみワンダフルに加入することを、ぜひ真剣に検討してみてください。
一方でたのしみ未来の学資積立プランは、たのしみ未来の通常プランと同じく高返戻率ではありますが、学資保険として見ると他にもっと高返戻率の学資保険は存在します。学資積立プランへの加入を検討している方は、別の学資保険のプランと比較してみることをおすすめします。
たのしみ未来の特徴をまとめると「高い返戻率」「自由度の高いプランニングが可能」「一定期間は解約返戻金が少なく途中解約は損する」「学資保険としても利用が可能」というものです。自由度の高いプランニングが可能である一方で途中解約は難しいため、最初にしっかりと加入プランを作成した上で加入するようにしましょう。