子ども共済とは?
子どもが生まれたとき、必ず一度は子どもの教育費をどのように積み立てようか考えるのではないでしょうか。子どもの教育費は昔と比べて非常に高くなってきており、また最近では大学まで進学する子どもが非常に増えている中で、家計に占める教育費の割合は非常に高まっています。
統計を見てみると、子どもが生まれてから大学卒業するまでに、最低でも800万はかかると言われており、私立に進学した場合では、約2,000万円近くかかると言われています。また、子どもの教育費は家を購入したり車を購入したりするのとは違い、生まれてから何年後に必ずかかってくるもので、今年お金がないから来年払うといった事はできないものです。そのため、子どもの教育費を貯めることは何よりも計画的に積み立てていかなければいけないものなのです。
そのような子どもの教育費の積み立てを助けるものとして、様々なところが様々な貯蓄商品を販売しています。生命保険会社では、「学資保険」という名前で貯蓄商品を販売しています。
今回は、そのような貯蓄商品の1つとして、県民共済やJA共済など「共済」が販売しているもので「こども共済」という商品がありますので、そちらについて見ていきたいと思います。
そもそも共済とは、ある特定の団体が集まってお金を出しあい、何か人生のイベントが起きた場合にそのお金の中から支払うといった特徴を持っています。お住まいの都道府県に必ずあるものとして、都民共済や県民共済などの共済があったり、日本国民全員が対象であるこくみん共済、農業関係者の方が対象であるJA共済など様々な共済があります。
このような共済は、主に亡くなった場合に死亡保険金を支払う死亡保障や病気・ケガで入院した場合に給付金を支払う医療保障が付いている「生命共済」を販売しています。その他に子どもの教育費を積み立てるためのサポートとして販売されているのが「こども共済」に当たります。
ではまずはじめに、こども共済の商品内容について見てみましょう。
こども共済の商品内容は、主に「万が一の場合の保障」と「学資金の積み立て」の2つによって成り立っています。
下の図をご覧ください。
はじめに万一の保障ですが、積み立て期間中に子どもが万が一亡くなってしまった場合、それまで積み立てたお金が万一の保障として返ってきます。学資金受け取り時(18歳以降)に万が一亡くなった場合は、払込期間の経過年数に応じて学資金を支払った金額を差し引いたお金が死亡保険金として返ってきます。
次に学資金ですが、こども共済の学資金は大学入学前の18歳から大学卒業する22歳までの5年間に渡り、同額を学資金として毎年受け取ることができます。
例えば学資金の合計額を300万円とした場合、18歳から22歳までの5年間に渡り、毎年60万円を5年間に渡って受け取ることができます。
こども共済はこのように、万一の場合にも無事に進学した場合にも備えられる内容となっています。
学資金が積み立てられるタイプのこども共済は実はJA共済でしか販売していません。都道府県が提供している都民共済や県民共済、コープが提供しているコープ共済などは学資金の積み立てといったものではなく、子どもが病気やケガで入院した場合の入院保障だけの商品となっています。
学資金の積み立ては生命保険会社が提供している学資保険を利用するけれど、子どもの病気やケガによる入院に備えたいという方に向いている商品と言えます。
先ほどご紹介したとおり、子どもの学資金を積み立てることを目的とした場合、JA共済のこども共済しかそれを満たすものがありません。子どもの病気やケガによる入院の保障に備えたい場合、都道府県民共済やコープ共済などがその目的を満たします。このように、何を目的としてこども共済を検討するかを明確に決めておくことが非常に大切です。子どもの入院などに備えたい場合はこくみん共済が非常に人気です。その人気の理由は、こくみん共済は60日以上、180日以上といった長期入院にも段階的に保障してくれます。
コープ共済では270日以上入院しないと給付金が受け取れなかったり、都道府県民共済では長期入院に対応していないなどといった特徴があるため、総合的に病気やケガによる入院に備えるためにはこくみん共済が非常におすすめです。
対して、子どもの死亡・高度障害に備えるには、都民共済、こくみん共済がおすすめです。コープ共済では子どもが死亡・高度障害になった場合に受け取れる保険金の額はそれほど多くはありません。対して都民共済やこくみん共済では200万〜600万ほどの保険金が受け取れるため、非常に充実した内容となっています。
これまでご紹介したおすすめの共済をそれぞれの目的別に整理すると以下のようになります。
それぞれ目的に見合った共済を選ぶことが大切です。
最後に、一昔前ではあまりニーズがなかったのですが、近年急増するようにニーズが増している子どもへの保障があります。これまでは子ども自身が学校に進学したり、入院した場合などに備えたいというニーズが多かったのですが、近年では、子どもが外で物を壊してしまったり、傷つけてしまった場合に発生する、賠償責任に対して保障しておきたいというニーズが高まっています。例えば子どもが外で自転車に乗っていて、誰かにぶつかってケガをさせてしまった場合、賠償責任として数百万〜数千万を支払わなければいけないといったケースも最近増えています。また、他人の家を壊してしまったり、他人の物を壊してしまった場合でも、数十万円〜数百万円の損害賠償が請求されてしまいます。一昔前であれば、子どもが他人をケガさせてしまったり、他人の物を壊してしまった場合でも、さほど大事にならずに済んでいましたが、近年では人との繋がりが希薄化していくと同時に、他人に何か損傷を与えてしまった場合には多額の損害賠償請求がされてしまうのです。
そのような賠償請求に備えるための保障として、コープ共済では特約として掛け金170円でこのような賠償責任に対する保障を持つことができます。コープ共済の医療共済は掛け金1,000円で加入することができ、特約の個人賠償責任保険を170円で付けることができるため、合計1,170円で子どもの病気やケガによる入院の保障、子どもが他人を傷つけてしまったり物を壊してしまった場合の賠償責任の保障を持つことが出来るのです。損害賠償額は1億円まで保障してくれます。また、コープ共済の個人賠償責任保険は、子どもだけでなく生計を共にする家族全員に対して保障してれるため、子どもに限らず同居の家族が同じように他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を壊してしまった場合でも同様に保障してくれるのです。
子どもは大人が想像しないような問題を起こしてしまったり、他人とトラブルを起こしてしまったりしてしまいます。そのような傾向から、最近では子どもを外で遊ばせないという家庭も増えてきていますが、それは本来の子どもの姿ではありません。子どもが元気で活発に外で遊べるよう、万が一の場合に備えておくということは大切なのかもしれません。
子どもへの保障を検討する場合は、進学資金を貯めたいのか、入院の保障に備えたいのか、死亡・高度障害に備えたいのか、他人への損害賠償責任に備えたいのか、ニーズによっておすすめできる商品は変わってきますので、よく検討して考えるようにしましょう。