HOME » 保険の知識全般 » がん保険は損保ジャパンに人気が集まっている?
生命保険と損害保険の両方とも扱っているのが「がん保険」です。最近では、生命保険会社よりも、損害保険会社のほうが積極的に商品を発売しており、従来の生保ではがん保険は他社でどうぞ、というスタンスのところが出て来ています。
なぜ、がん保険を巡って、生保と損保で販売姿勢に差が生じているのでしょうか?
そもそも、がん保険のシェアは圧倒的に外資生保であるアフラックが優勢でした。ところが、最近では日本の損害保険会社が合併して、より給付金の出やすいがん保険を開発し始めており、またセコム損保や富士生命(現 富士AIG)などは、非常に手厚い保障商品を販売しました。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命という、非常に長い名前の生保が「勇気のお守り」というがん保険を発売し、これが非常に話題になっています。特徴はいくつかありますが「上皮内がん」でも診断給付金が出る、という画期的なもの。
上皮内がんは「悪性腫瘍の程度では一番軽い」ものといわれています。つまり、医師が診断書で「悪性の疑いがあり」という腫瘍を切除した場合、今まではがん手術とは見なされませんでした。ですが、最近はデジタル技術が進歩し、ミニマムサイズの腫瘍ですら画像判定でき、切除方法も発達しています。
ひまわり生命では、何度でも一時金が受取れる制度を作り、再発は2年経ってからという簡単は約束だけを提示しました。大方がん患者は最初の手術から5年が経過措置といわれます。通院保障は年間120日、通算無制限。これも注目できる部分といえます。
がんは、先進医療が年々通常医療に認められるようになってきました。そうした時代背景にも合っているがん保険のひとつ、といえるでしょう。
がん保険がなぜ必要なのか?それは「治療費が高いから」と言う方がいらっしゃいますが、実はそれが正解とは言えません。日本の医療制度では、高額療養費制度がありますから、どれだけ多額の医療費がかかったとしても、月に数十万円などという請求は発生しないのです。もちろん、病院の特別室で入院した、付き添いナースを自分で依頼した…などと、健康保険が利用範囲外としている部分は、自己負担ですが、それ以外では月に10万円程度というのが実態でしょう。
細かい療養費制度の話は割愛しますが、がん保険には「先進医療」というよく聞かれる言葉が付いて回ります。先進医療というのは、全国に数カ所あるがんセンターの「重粒子線治療」などのことを言います。これは、がん細胞に向けて人間のからだをぐるりと囲んで、その腫瘍を焼き切ることですが、これは多くの患者が予約してもすぐに治療してくれるものでもありません。 治療前の入院と治療後の入院期間を合わせると、2週間程度に及ぶことがあり、この際の食事費用や宿泊費用、また付き添い家族の同様の費用などを考えると、すぐに十数万円は飛んでしまいます。
こうした治療以外、つまり医療費以外の費用ががんにはつきまとうばかりではなく、中には「休職」から「退職」に追い込まれたあとの「所得保障」のためにこのがん保険に加入する価値がある、というわけなのです。 他社との比較では、やはり「上皮内がん」でも使える点。上皮内がんは、がんステージにおいて初期より前の状態と言われます。上皮は皮膚や粘膜を差し、血管が通っていませんから、投薬の効果が認められません。子宮頸がんの初期がこれに当たります。
子宮頸がんは痛みを伴うことがなく、後になって判明するケースが多く、医師の診断書ではどの時点でがんと言えるのかがポイント、になっているのです。 ですが、患者とすればがんはがんであり、上皮内の時点で見つかったから「保険上がんではない」というのは、保険会社の言い訳と捉えてしまうのは理解できます。
ならば、全てのがんで給付金を出そう、というのが損保ジャパンの考え方でした。そして、がん治療の通院日数制限を無くしたのも特徴のひとつなのです。こうしたがん保険は従来の保険会社よりも、損保系やネット系に多くの深化商品があります。がんに詳しい保険FPにぜひ「本当は何が一番費用としてかかるのか、どのくらいの日数かかるのか」を相談して、加入することをお勧めします。