HOME » 保険会社 » かんぽ生命保険は養老保険から学資保険まで幅広い
今回は「かんぽ生命の養老保険」について解説します。満期保険金など、どのような特徴があるのでしょうか。
生命保険は通常、この保障性か貯蓄性どちらか、もしくは特約付き保険などで「どちらか寄り」のポジションをとっています。
養老保険はこれらの保険に対して「どちらも」対象としている保険であり、保険料は概ね高めに設定されています。後ほど詳しくご説明しますが、
以前は生命保険のひとつとして高い支持を誇っていたものの、最近はリーズナブルな終身保険や医療保険が登場したこともあり、少し存在感は薄まっています。
そのような養老保険のなかでもかんぽ生命は日本郵便ということもあり、とても信頼性の高い養老保険です。
以下の一覧表にて、特徴を確認してみましょう。一言にかんぽ生命の養老保険といっても、様々な種類があります。
<かんぽ生命 新フリープラン 養老保険の特徴> | |
保険期間 | 10年間~50年間(最高) 保障額 死亡保険金1,000万円、満期保険金1,000万円 (死亡保障額と満期保険金額は同額) |
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加入年齢 | 0歳から80歳 ※コースにより違いあり。以下参照 |
保険金額 | 100万円から1,000万円 ※コースにより違いあり。以下参照 (10万円単位で設定することが可能) |
特約 | 入院保障をプラスすることが可能 |
かんぽ生命の養老保険は「新フリープラン」という名称です。ライフプランに合わせて様々な設定をすることが可能で、
満期を迎えると最大1,000万円の満期保険金を受け取ることができます。また、保険期間中に万一のことがあった場合は、
死亡保険金を受け取ることができます。
なお、71歳以上で加入する場合は、保険金額が500万円までと「制限」されることがあります。
なお支払期間については通報のコースと、払込10年、満期期間15年の短期払込コースがあります。
加入する時の環境によって選択するようにしましょう。
かんぽ生命の養老保険には、「2倍保証型」「5倍保証型」「10倍保証型」と保障が2倍から10倍になるコースが設定されています。 30歳男性で10年満期の場合の保険料を合わせて比較してみましょう。
コース | 保険料 |
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2倍保証型→満期金500万円 | 9,920円 (基本9,000円、災害特約100円、無配当疾病傷害入院特約820円) 加入年齢15歳~70歳 保険金額200万円~1,000万円 |
5倍保証型→満期金200万円 | 4,800円 (基本3,880円、災害特約100円、無配当疾病傷害入院特約820円) 加入年齢15歳~65歳 保険金額200万円~1,000万円 |
10倍保証型→満期金100万円 | 3,100円 (基本2,180円、災害特約100円、無配当疾病傷害入院特約820円) 加入年齢15歳~65歳 保険金額200万円~1,000万円n |
<保険料算出条件>
保険料払込者性別:男性
保険者の生年月日:昭和62年(1987年)1月1日
契約日:平成29年4月1日
加入年齢:30歳
満期:40歳満期
基準保険金額:200万円
日額3,000円の無配当疾病入院特約:つける
医療保険は「引受緩和型」という疾患等持病を持った人向けの保険がありますが、養老保険では珍しいところ。 このあたりも元日本郵便のかんぽ生命の持つポジションといえるでしょうか。
新一病壮健プラン→満期金500万円 保険料に関しては250万円→500万円 →1,000万円と段階的に増額していく。 事故死の場合は契約当初から500万円。 | 保険金 9,440円 (基本9,290円、災害特約60円、 無配当疾病傷害入院特約90円) |
<保険料算出条件>
保険料払込者性別:男性
保険者の生年月日:昭和42年(1967年)1月1日
契約日:平成29年4月1日
加入年齢:50歳
満期:60歳満期
基準保険金額:100万円
日額1,500円の無配当疾病入院特約:つける
保険期間 | 10年間 |
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保障額 | 死亡保険金500万円 |
加入年齢 | 40歳から65歳 |
保険金額 | 100万円から500万円 |
ここからはかんぽ生命に限らず、養老保険はお勧めなのかについて考えてみましょう。
保障性も貯蓄性もある養老保険は、分散化している保険に複数加入するよりも保障内容が一覧となりわかりやすい側面があります。
ただ、保険会社の競争の結果、リーズナブルになっている単独保険の保険料のなかで、養老保険が「割高」になってしまっている場合が多いのも事実。
相見積もりで比較検討している場合は、どちらの保険がどれだけお得なのかを抜かりなく確認するようにしましょう。
また、解約返戻金についても同様です。養老保険は解約返戻金がある分、(掛け捨ての)医療保険よりもお得、と認識されています。
ただ昨今の金利下落で多くの養老保険も利率の低下を進めたため、「意外にも利率が低い」という場合も、 このように、養老保険が持つ特徴はもちろん、その特徴が現在どうなっているのかを確認のうえ、申込を検討するようにしましょう。
かんぽ生命保険では終身保険・養老保険・学資保険・定期保険・年金保険を取り扱っています。かんぽ生命保険の学資保険と終身保険を取り上げます。
学資保険「はじめてのかんぽ」は様々なポイントが満載の保険になっています。大学入学時の学資金準備コースで、契約者が男性30歳・子供男性0歳・12歳払済み18歳満期・満期保険金学200万円(学資祝金なし)の場合は月払保険料12,720円・払込保険料総額183万円・受取総額200万円で返戻率は109.1%です。満期保険金を大学入学後の4年間に50万円ずつ分けて受け取った時の返戻率は111.4%です。「はじてのかんぽ」の中でも手堅い返戻率になっています。小学校・中学校・高校で祝金を受け取れる他のプランの返戻率は、やや低めになっています。
出産予定日の140日前から加入が可能です。月々の保険料を抑えたい人には、17歳または18歳まで払うタイプと戻り率を高くしたい人の 12歳までに払い終えるタイプの2パターンから選ぶ事が可能です。付加できる特約は無配当疾病傷害入院特約で、1日以上入院したとき日額3000円(最高120日分まで)、入院中に手術したとき手術の種類に応じて入院保険金日額の5倍・10倍・20倍・40倍の手術保険金、入院期間が120日となったとき一括で6万円の長期入院一時保険金を受け取れます。付加保険料は月払保険料760円です。特約を付加すると保険料が上がり返戻率は下がります。貯蓄を考えると不要ではないでしょうか。
終身保険は「新ながいきくん(定額型)」「新ながいきくん(ばらんす型2倍)」「新ながいきくん(ばらんす型5倍)」「新ながいきくん(おたのしみ型)」の4種類があります。それぞれの違いは加入可能年齢と保険料払済み後の死亡保障額です。加入可能年齢は定額型が15歳~65歳・ばらんす型2倍が15歳~60歳・ばらんす型5倍が15歳~55歳・おたのしみ型15歳~65歳です。死亡保障額は、基本保障額が1000万円の場合で定額型は1000万円・ばらんす型2倍は500万円・ばらんす型5倍は200万円・おたのしみ型は5年ごとに生存保険金が支払われ200万円ずつ減額していきます。
また、病気やケガの入院保障が必要なときは特約を付加しなければなりません。特約は「無配当疾病傷害入院特約」「災害特約」の2種類があります。無配当疾病傷害入院特約は病気や不慮の事故による傷害で入院・手術・一定期間以上の入院をしたときに入院保険金・手術保険金・120日入院した時入院保険金を受け取れます。災害特約は特約の保険期間中に不慮の事故や感染症での死亡に対し保障をプラスします。基本保障額1000万円の場合、倍額保障1000万円がプラスされます。特約は無配当疾病傷害入院特約をつけておけば良いと思います。
テレビCMでもおなじみ「ながいきくん」「新ながいきくん」の名称で知られる かんぽ生命 のラインナップ。ながいき…というネーミングでお分かりのように、これは「終身保険」と呼ばれる保険の形を商品化しています。
終身保険とは、簡単に言えば「死亡保険金」が50歳でも75歳でも、92歳でもきちんと支払われるもの。ただ、保険金を受け取るのにはいつまで保険料を支払うのか?ということになりますが、これは一定の期間内で終了するものに設定されています。
ながいきくん、の場合はどれも 15歳から加入が可能。3種類ある中では65歳で払い込みが終了するもの、と85歳で払い込みが終了するものに分かれています。ここで、よくチェックしておきたいのは、仮に20歳の時に加入し、65歳の時に払い込みが終わったとして、合計いくらの掛け金(保険料)を支払ったか、を計算すること。
毎月まいつき1万円を保険料に当てて、年間12万円。45年間では540万円を支払う計算になりますが、65歳の時点で800万円、900万円と多く受け取れるならば、終身保険としては意味があります。まず、自分が受け取れない「死亡保険金」がどのくらいなのか、を計算しておきましょう。
この ながいきくん の死亡保険金を重視する方には、65歳までの保障を大きくして、65歳以降の保障を小さく(例えば、65歳までは1,000万円、それ以降は200万円)などと変えられる商品も設定されています。高齢になれば、家族の保障も最小限になるし、葬儀代だけで良いのでは…という現実的なプランです。
ただ、せっかく保険を掛けているのに自分が受け取る「貯蓄部分」がないのは寂しい、という方には、ながいきくん(おたのしみ型)が良いでしょう。これは、仮に20歳から60歳まで保険料を払い込み、その後は本来受け取れる「死亡保険金」の8割程度の金額を「貯蓄額」として生前に受け取れる仕組み。
例えば20歳から60歳まで保険料を「貯金」として払い込み、60歳以降はその貯金を「年金」として分割で受け取るわけです。一見これは大変お得感があるように感じるでしょう。だからこそ、年金全額の金額と、保険料の総支払額をよく比較してみましょう。仮に払い込んだ金額が750万円、受け取れる年金額が800万円ならば「50万円お得」ということになります。
なお、かんぽ商品は政府の制度改革で度々「死亡保障額」が変わることがあります。ですから、ぜひこのあたりを事前に保険に詳しい専門家のレクチャーを聞いてみるのが必須です。また、かんぽの場合は、ネットでも見積もりができます。まずはご自分で保険料や将来受け取れる年金額と死亡保険金額をメモし、その上でプロに指南してもらいましょう。プロの保険担当者の場合なら、かんぽの良さ、欠点などを即座に判断できるはずです。公平な立場で、まずは相談してみるのが大事なのです。